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建築家スタディ
2023年2月19日 09:02
あなたにとっての好きな映画はなんだろう。友人と飲んだ時、このネタでお酒がいくらでも飲めてしまうのは、歳をとったせいであろうか。映画でもドラマでも、小説でもチラシでも、なぜこのように作られているのか、撮られているのかがとても気になるようになった気がするし、これは何を伝えたいのかと考えるようになってしまった。製作側は、商業目的で、自己表現の為で、忖度を盛り込んで、予算内で、それでいて観る人に対
2023年2月15日 17:44
事故で意識が戻らず、病院のベッドに横たわる息子を前に、両親が優しい眼差しで見つめている。ふと子供の手が動いた時、もしかしたら意識が戻るかもしれないと両親は慌てふためく。医者に問うと、両親が子に話しかける声に反応していることを否定できないという。その時、両親は、息子が聞いているか聞いていないか事実は分からない状況でも、きっと聞こえていると信じて子に接するのと同時に、自分の人生を改めて見つめ
2023年2月9日 08:27
私たちの人生は何十年と続いていく。しかし、私たちが生きているのは、今この一瞬である。一本の長い道が一つ存在しているように見えるのが人生であるが、よく目を凝らすと、その道は一瞬のフィルムの無数の積み重なりなのである。ーーー住宅は、これから長く住んでいくものであるから長期的思考で、つまり人生という軸において構想を始めることが大事である、とは、「住宅のデザイン」にて前述した通りであ
2023年1月29日 22:17
仕事を選ぶもっと前の、なにをしたかったのか、そもそもなぜ建築学科に進んだのか。夜空を眺めながらそんなことを思い返していた。僕が建築学科に進んだ理由、それは「家を建築したい」という思いだった。中学校時代、実家が家を建てた。その時の思いが、そもそものスタートだった。僕は、こんなに激烈に自分の人生の時間をこの会社の為に捧げている。しかしそのエネルギーを、もっと自分のやりたいことに
2023年1月29日 20:20
人生において最も大事にしている言葉は何かと言われたら、僕は「主体性」と答えるだろう。人は物心ついた時には命があり、容姿と身体が既に決定づけられ、家族に囲まれ、社会の中にいる。こう書くと私たちは命を能動的に与えられているような気がする。気づいた時にはすでに私の人生は始まっているのである。それでは、この与えられた人生を一体どう扱えば良いのだろう。この「与えられた人生である」とい
2023年1月16日 18:56
やりたくない仕事をなんとか続けて家族を守っている人も、趣味がこうじて仕事にできている人も、なんとなく仕事をしている人も、世の中には沢山のスタイルで仕事をしている人がいるだろう。優劣などない。ただ、そこにはその人の人生があるだけである。しかし、自分の人生に焦点を当てた時、心から湧き上がる感情を自分の予想以上に満たしてあげたいとも思う。夢で見るような、理想の人生を、歩ませてあげたいとも思うのだ。
2023年1月15日 08:54
数年後には、車は自動運転になるらしい。貯金ではなく投資をすると良いらしい。良い大学に行くと、良い人生になるらしい。たくさんの靄がかったレールが僕の前には並んでいて、みんなが僕より先を歩いているように思える。遅れないようにしなきゃと頭のどこかが信号を発している。しかしながら、今、僕の目の前にはひび割れたアスファルトの道、雑多に伸びる道端の雑草帯、冬の季節風で荒れた日本海の波たちが