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【ジャーナリズム】自分の頭で考える人間になるために。「人を動かすナラティブ なぜ、あの「語り」に惑わされるのか」を読んで。

生きていくことは、自分自身のナラティブ(物語)を作っていくこと。

誰もが一度は、生きていく中で感じたこと、感じていることだと思う。

しかし、昨今の世の中にはびこっている、分かりやすくパッケージされたインスタントなナラティブは、自分の頭で考える力、つまりは自分自身のナラティブを形成していく力を骨抜きにしてしまう。

ナラティブの形成を他者に任せてしまった人たちの成れの果ては、説明するまでもない。

経済、文化、平和、教育の在り方を、ナラティブというキーワードを通じて、それぞれの有識者たちの肉声から紡いだ本書は、ナラティブを巡るナラティブと言える。

インスタントなナラティブがはびこる世の中にただ絶望するだけでなく、その中でも、頑強なら骨のあるナラティブを形成していくための道筋も書かれているけど、本当の自立や成熟って、この本に示されたような、希望に満ちたナラティブを作っていくことなんだと思う。

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