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行動経済学は、先生にこそ必修かも…

小学校の先生で、2児の父、雄剛です。

最近、お金の勉強をしているのですが、そこで出てくるのが行動経済学。行動経済学は、人間の非合理的な経済活動を分析する学問です。「人間の非合理的な活動」を引き起こす原因となるのが、「バイアス」です。「バイアス」って面白いんですよね。教育の分野でも、この「バイアス」を知っておいて、子どもたちと関わることはとても大切だと思います。

現状維持バイアス

~多くの人が「現状維持」を好む心理的傾向のこと。

人は現状維持を好みます。「変わりたい!」「今の自分なんて嫌いだ!」「理想の自分になりたい!」と思って、ダイエットを始めたり、勉強を始めたり…。でも、続かない。結局は、心の底ではやっぱり現状維持が心地いいんですよね。だから、なかなか自分を変えることができない…。

子どもたちも一緒ですよね。現状維持が心地いいんです。だから、どんなにクラスがひどい状態でも、自分たちで変わろうとできないし、先生がその現状維持をひっくり返そうとしても簡単にはひっくり返らないんですよね。これをなんとかしようとするならば先生を変えるくらいの劇薬的な対応をするか、小さなことから少しずつ習慣になるまで粘り強く続けるしかない。

損失回避バイアス

〜多くの人に損失を回避しようという習性があり、利得の喜びよりも損失の悲しみの方を大きく感じるという心理的傾向のこと。

子どもたちは、これと同じように「できた喜び」よりも「できなかった悲しさ」の方にフォーカスしがち。大人でも、いっぱいできたことがあるのに、一回の失敗をずるずる引きずる…という傾向がありますよね。そうなれば自己肯定感は下がるのが自然です。そういう傾向が分かっているならば、意識的に「できた喜び」にフォーカスできるような手立て先生が打っていく必要がありますよね。

ここからは、先生としてのあり方に影響を与えるバイアス。

エコーチェンバー現象

〜自分と似た意見や思想をもった人々の集まる空間内でコミュニケーションが繰り返され、自分の意見や思想が肯定されることによって、それらが世の中一般においても正しく、間違いないものであると信じこんでしまう現象。

フィルターバブル

〜「インターネットの検索サイトが提供するアルゴリズムが、各ユーザーが見たくないような情報を遮断する機能」(フィルター)のせいで、まるで「泡」(バブル)の中に包まれたように、自分が見たい情報しか見えなくなること。

先生って、けっこう職員室、そして先生同士というという狭い世界で生きていますよね。そこで、「そうだよね〜。」と肯定される考えがどこでも通用すると考えがち。でも、一歩学校外の人から見れば、非常識なことも…。この2つの傾向を事前に分かっているだけで、違う視点はないかを顧みるきっかけができますよね。

子どもや保護者という人と関わる仕事だからこそ、行動経済学は必修なのかも…。

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