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「僕にはできていないことがあるから、今の僕は50点…」

小学校の先生で、2児の父、雄剛です。

クラスにこんな子はいませんか?
自分のやりたいことを優先してしまい、周りが見えずに時間を守れなかったり、相手の気持ちを無視してトラブルになったり…という傾向のある子。

以前、私のクラスにもこんな子がいまして…。トラブルが続いて、指導していた時に出てきた言葉がこれです。

「僕にはできていないことがあるから、今の僕は50点…」

この言葉を聞いて、私はすごく考えさせられました。

この考え方って、恐らく減点法ですよね。自分にいいところがあれば100点に近くなり、悪いこと・できないことが多くなればそこから減点でどんどん点数が低くなっていく…。ましてやその子は低学年だったので、まだできないことも多いし、そういう考え方でいけばどんどん自己肯定感が低くなってしまいますね。

「先生は、こう考えているよ。」

○○さんはね。いいところがいっぱいあるよ。自分のやりたいことがはっきりあって、それをすぐにやってみる行動力がある!全力でやってみる集中力がある!この前だって、給食係で「先生、こんなイベントしてみたいんですけどいいですか?」って聞きにきたでしょ。ああいうのも本当はすごいんだよ!自分で考えて、やってみたいことがあって、それを実際にやってみる!自分では気づいてないかもしれないけど、これって、すごいことなんだ。そんな○○さんのこと、「先生は素晴らしいな」って思っているよ。

確かに、今できていないところもあるよね?今日みたいに、自分のやりたい気持ちを優先して、相手の気持ちを考えないで押し付けることでトラブルになる…。ここは、やっぱり苦手なんだよね。

でも、みんなそんなもの。

国語は得意だけど、算数は苦手な人もいる。
体育は得意だけど、音楽が苦手な人もいる。
勉強は苦手だけど、絵が得意な人もいる。

でも、苦手があるからって、自分の点数を引く必要はないんだよ。

ゲームが好きだったら、レーダーチャートって知ってる?あの攻撃力はこのくらいで、守備力はこのくらいで、素早さはこれくらいでってダイヤモンドみたいな形ができるやつ。あれで考えてごらん。守備力が低いからって、もともとある攻撃力が低くなるわけではないでしょ。

いいところは、どんどん伸ばせばいい。
苦手なところは、少しずつ改善すればいい。
それだけのこと。

できないことがあるからって、苦手なことがあるからって、自分の点数を引いて、自信をなくす必要はないんだよ。

自分の評価を一軸で考えると苦しくなる…

ふとしたときに、自分自身もこう考えてしまうことがあるかもしれません。

大失敗した時に「あぁ、自分ってなんてダメなやつなんだ…」
苦手なことに直面した時「自分ってなんてできない奴なんだ…」

でも、その逆の自分のいい面や得意分野もありますよね。できない部分、苦手な部分はあっても、だからといって、自分のいい面や得意分野が消されることはない…。人間って、一軸で捉えられるほど、単純ではないですよね。多くの軸をもっていて、すごく出っ張ったところもあれば、へこんだところもある。それでいい。そんなことを考えさせられる一言でした。

皆さんは、クラスの子にこんな言葉を言われたら、どう返しますか?



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