ちょっと珍しい避難訓練(不審者対応)の思い出
小学校の先生で、2児の父、雄剛です。
先日、不審者を想定した避難訓練がありました。この訓練で思い出すのは、10年以上前に実施した「教室に不審者が入ってきたらどうするか?」という実地訓練です。
その時、私は6年生を担任していた関係もあってか、私のクラスが選ばれて、不審者役が教室に来ることになりました。警察の方からは、「本気で犯人役をするから、手加減は無用です。」という伝言を事前にいただいていました。これはやるしかないですよね!
クラスで作戦会議!
クラスの子たちには事情を話し、みんなで無事に助かるためにはどうすればいいかを話し合いました。そして、そこで出た案を私が犯人役になり、実際に試してみました。
※最初に、絶対に戦おうとしないことについては確認をしました。戦おうとして近づけば即、命の危険にさらされると…。
①不審者が入ってきた瞬間に、机を犯人側に寄せて距離をとる!入り口を塞ぐ!
これ!びっくりしたんですが、絶対にやってはいけないんです!やってみてわかったことは、距離をとることはできるのですが、犯人がすぐに廊下に出て、逆側の扉から入ってきたら…。自分たちの逃げ道を断つことになってしまうんです。
②両方の入り口塞ぐ!
ならばと、どちらの入り口も塞いでみました。教室の扉は引き戸になっているので、机を押し付けたからといって開かなくなるわけではありません。つっかえ棒で開かなくなるすることもできますが…。扉を開けて、机の上に乗っかって越えられた時に、これまた逃げ場が断たれてしまいますね。
③距離を取りながら、教室奥へ誘導…
机を不審者側に寄せて、でも、押し付け過ぎないようにしながら、奥へ奥へと進むように仕向けていきます。不審者が奥の角らへんまでいったら、一斉に机を押し付けて、その間に扉から逃げる!これをやった時に、子どもたちと手ごたえを感じて盛り上がりました。
いざ、訓練本番!
子どもたちと動きを確認し、いざ本番へ。本番では、やはり人間相手だから予想通りにはいかないもの…。予測不能な不審者役の動きに翻弄されます。それでも、子どもたちは頑張りました。できるだけ、机で距離を取りながら、不審者の動きをコントロールし、一気に逃げるタイミングを探ります。予定とは違いましたが、前の扉付近で、だけど扉からは出られない追い込み方で一気に机を押し付ける…。一斉に後ろの扉から逃げる子どもたち。そうこうしているうちに、男性の先生方が集まってきて、机で動きを制限されている不審者をいろんな角度から一斉にさすまたで押さえつける…。こんなことで、無事全員が逃げることができました…。
でも、もし本当の不審者だったら、突然だったらここまでできるか…?
もし本当に人を傷つけるために入ってきた不審者なら…。正直、恐らくこうはいきません。距離をとって見合う…というのは、自分の身を守るための行動。もし、捨て身で人を傷つけるつもりなら、何よりもまず、近くの人間に突っ込んで刃物で人を傷つけるはず。
そして、今回は不審者がくることを想定して、シミュレーションまでして臨んだからここまでできたけど…。本当に訓練だから絶対に相手が傷つけることはないという安心感があるから冷静にできたけど…。おそらく不意にきたらこんなことはできません。
訓練を通しての教訓!
〇訓練は、ここまで本気で臨んでこそ意味があること!
〇訓練をすればするほど、命を守ることは難しい!だからこそ、そもそも不審者を入れない対策こそ必要!
事件を未然に防ぐことが、何よりの防犯対策。本当にこれに尽きます。
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