久しぶりに命の危険を感じた話…【後編】
小学校の先生で、2児の父、雄剛です。
久しぶりに大好きなサーフィンができるチャンス!でも、大荒れコンディション。少し落ち着いてきたから沖に出ようとするも、堤防わきのテトラポットに追いやられ…
必死にテトラポットから離れようにも、波の力には抗えず、ついにテトラが触れる距離に…
これって、いつテトラに打ち付けられてもおかしくない状態…。さすがにまずい…。波に抗っても勝てないなら、もうテトラに上って、堤防に上に逃れるしか方法はない…。
ここで幸か不幸かテトラに挟まった長い木の棒が…。一旦波に持っていかれて木の棒にぶつかります。が、そのタイミングで木の棒に抱きつく私。木の棒に抱きつきながら、波のタイミングを見て少しずつテトラ近づいていきます。いよいよ決死の思いでテトラに乗り移ろうとした時、足首と板をつなぐリーシュコードが木の棒に絡まって上がれない…。もうテトラも間近で、猶予はない状態…。焦る私。焦るほどにほどけない…。必死の思いで、なんとかほどけて、テトラに乗り移る。
とにかく波が来たら、テトラにしがみつく!とにかく、波の勢いで打ち付けられないように。そして、波をやりすごしたらちょっと上って、またきたらしがみつく…。それを繰り返しました。本当に必死です。それでなんとか、堤防の上に逃れましたが、その時は、足が震えていました…。
ケガは、おそらく必死で木の棒やテトラにしがみついた時に切れてしまった、手の傷のみ…。もし運が悪かったら…ぞっとします。
その後、砂浜に座って波を見ていると…
海の外から波を見ていると、気付くことがあります。海に入る前に見ていたほど、波のサイズは大きくない。しかも、波数も少なくなっている。波って、そのコンディションにもよりますが、何本か大きめが続いたら、ちょっと落ち着いて、また、何本かくる…の繰り返しなんですよね。砂浜から見ていると、その時も、常に大きな波が来続けているわけではないから、落ち着いたタイミングを狙えば、なんとかなりそう…。
でも、海の中に入ると…
海の中に入ると、波は外で見ている以上に大きく感じる…
海の中に入ると、何本か大きな波が来たらちょっと落ち着くタイミングがあるはずなのに、波が永遠に来続ける感覚になる…
沖に出たくても、大きな波が永遠に来て、自分を押し戻していく…。進みたいのに、全く進めず、逆に押し戻される…。もうだめだ…。
そうやって、心をへし折られました…。
学校で精神的に病んでしまう感覚…
まさに、私が海の中で経験した感覚なんだろうな…と思うんです。
傍から見ていると、「それなりにうまくいってるんじゃない?」「苦しそうだけど、そこまでじゃないよね?」「そんな弱音ばっかり言うなよ!甘えだよ!」と思うかもしれない…。「こういう時にはこうすればいいんだよ!大丈夫!」「そんなの大した問題じゃないよ!」と思うかもしれない…。
客観的に見ればそうかもしれないけれど、たぶん精神的に追い詰められた本人はそう感じることはできないのだと思います。
渦中にいると…
傍から見ている以上の大きな波が…
いつまで続くのかわからないくらい、次々に押し寄せてくる…
頑張っても、頑張っても前に進めない…
もうだめだ…
この難局を乗り越えられる気がしない…
そうやって希望を失い、心がぽっきりと折れてしまうのだと…。
苦しむ仲間にできること…
恐らく、苦しみの渦の中から、一旦離してあげること。
客観的に、自分の状況を見られる環境に置いてあげること。
落ち着いて話して、客観的な視点に切り替えられる段階ならばいいけれど…
そうでなければ、ある程度の期間、休ませて自分を客観視できる状態にしてあげないといけない…。
それも、心がぽっきり折れるその前に…
今回の体験と、苦しんでいる若い先生の姿が重なり、そんなことを感じました。
あぁあ…それにしても楽しみにしていたサーフィンがこんなことになるなんて…。次は来年かな…。でも、次は無理せず、自分のレベルにあったコンディションで楽しもう…。