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「みんなで楽しむ」って、スキルが必要なんだなぁ…

小学校の先生で、2児の父、雄剛です。

冬休みに入りました。ちょっとゆったりした時間が流れています。先生の仕事のいいところは、こういう長期休暇がとれるところですよね。よく先生以外の方からは、「いいねぇ、長い休みがあって!」と言われるのですが、ずっと休んでいるわけではありません。溜まっている事務仕事や成績処理、通知表の準備、研究のまとめ、クラス編成、要録の作業、3学期の準備…とやることはたくさんあります。でも、子どもたちが学校に来ている時よりは、ゆったりした時間が流れていることは確かです。

先日、2学期最後のお楽しみ会をしました。私のクラス(低学年)では、一人一人がお楽しみ会をするにあたって何かしらの役割をもつようにしています。司会をする役割、飾りつけをする役割、遊びを企画する役割、お笑いをする役割などなど…。自分たちでお楽しみ会を楽しめるように何ができるかを考え、役割を決めていきます。その中の1つに「ハンカチ落とし」を企画した子たちがいました。

「ハンカチ落とし」が盛り上がらない…?

「ハンカチ落とし」は定番ですよね。大人の方で、「小学校の頃やったことがない…」という方はいないのではないでしょうか?だいたい盛り上がりますよね。でも、今回の前半、盛り上がらなかったんです。その理由は…?

仲のいい人たちだけで回す…

「ハンカチ落とし」は、鬼が円になって座っている人の周りを回り、そのうちの誰かにハンカチを落とすゲームです。落とされた人は、鬼を追いかける。鬼は、捕まらないように円を一周して、追いかけている人が座っていた席に座る…。「ハンカチ落とし」の醍醐味って、「鬼は誰にハンカチを落とすのかな…?自分かな?」というドキドキ感ですよね。それが、鬼が自分の仲良しの人だけにハンカチを落とし、仲間内だけで楽しんでいたら…。他の人たちは、何のドキドキもない…。楽しめない…。当然です。

でも、鬼の子たちも悪気があるわけではないんです。その子たちの表情を見ていると、本気で楽しんでいるんです。ただ、「みんなで楽しむためにはどうすればいいのか?」というスキルが足りなかったんです。その証拠に、「どうしたらもっと楽しくできるのかな?」と確認した後は、みんなで盛り上がることができました。

うまくいかないことやトラブルのほとんどは、スキル不足…

いつも私の記事にコメントをくださる「総合診療科医のだのり@ニュージーランド」さん。のだのりさんのコメントにはいつも、先生として当たり前だと思っている感覚を打ち砕かれます。のだのりさんがいつもコメントしてくださる内容はシンプル。

うまくいかないことやトラブルの原因は、スキル不足!

私を始め、先生ってけっこううまくいかないことやトラブルの原因を、心の問題として捉えがちですよね。…これもよくご意見を頂くのですが、ここでも「問題」と書いてしまっています。うまくいかないことやトラブルそのもの、そしてその原因の善悪を判断して、糾弾する形の指導をしてしまう…。

でも、そこに善悪の判断をする必要はなく、ただのスキル不足。だから、そのスキルを向上させる手立てをとればいいだけ。

染みついた感覚をアップデートしないと…

今年は久しぶりに低学年を担任しています。そうすると、高学年の時にはなかったような「うまくいかないこと」「トラブル」が山のように発生します。その時には、どうしても善悪を判断して、指導してしまいがち・・・。そんな時には、いつも「ただのスキル不足だから。『こんな時はどうしたらよかったのか?』をしっかり考えさせて、スキルを上げる方法を一緒に考えよう。」と思うようにしています。そうすると、子どもにとっても、先生にとっても前向きな気持ちで話ができますよね。

これは親としても一緒。子どもたちのできないこと、うまくいかないことを、ただ強く責めて終わっていないでしょうか?これがスキル不足だとしたら、怒っても変わらない…。どうしたらいいかをきちんと教えてあげることが大事ですよね。

でも、染みついた感覚がなかなかとれないんですよね~。少しずつですね。

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