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うつ病は「心の病」という呪縛

私は、「精神疾患」を患い「精神科」に通院し、「抗精神病薬」を服用しています。

「精神科」「精神疾患」「抗精神病薬」に対して、世間はどのようなイメージを持っているのでしょうか?


多様性が認められる現代社会


芸能人が適応障害やパニック障害を告白し、ネットニュースになることが度々あります。

また、ストレス社会といわれる昨今では、うつ病に罹患する方も年々増えてきています。
時代背景に沿って、障碍者雇用に力を入れている大手企業も多数存在しています。

こうして、スポットライトの当たりやすい場所では、精神疾患に対する理解が広まっているのも事実です。 

都心部や中心都市は海外の労働者も多く、多様性が認められやすい傾向にあります。
では、それ以外の地域はどうでしょうか。

地方都市と精神疾患


地方や田舎、と言われる場所に住んでいる方々は昔からの習慣が根強く、新しいものを受け入れにくい傾向があります。
情報が入ってきづらいということもあるかもしれません。

ご近所同士の繋がりが強い地方都市では、普段からお互いの家族事情などを共有しています。以前、コロナに罹患した方が住み続けることが難しくなり、引っ越しを余儀なくされるといったニュースがありました。

最近のバラエティ番組では、地方の住みやすさや住民の温かい人間性がクローズアップされているように感じます。
しかし、実際には「精神疾患」「障害」などの言葉に馴染みが薄く、そのために悪意はなくとも敏感に反応される方も一定数存在しています。

地方には都市部よりも病院が少なく、中には精神科を受診することが難しい方もいるのではないかと考えることができます。
そのとき、周囲の方々が最低限の知識を持っていれば、当事者の心が傷付けられずに済むかもしれません。


うつ病は心の病という呪縛


癌患者に対しては心配して寄り添う方々が多いと思います。その一方で、精神病患者は好奇の目で見られたり、甘えなどと言われます。
どちらも病気であることに変わりないのにです。

そもそも、精神疾患に対して負のイメージを持たれている方は、単純に知識が不足していることが大きな理由だと感じます。
いまだにうつ病が心の病と言われているのはなぜなのでしょうか。
心の病という呼び方ゆえに「気の持ちよう」などという、心無い言葉が発せられるのではないでしょうか。

うつ病は脳の病気です。脳内の「脳由来神経栄養因子」という物質が減少することによって引き起こされると考えられています。
そのため、脳にアプローチする「抗精神病薬」を服用します。これらの知識を学んだプロが在中している場所が「精神科」です。

たったこれだけの知識があれば、現在も続いている偏見意識は少しなりとも減少するのではないでしょうか?
他の病気と同じことなのです。

病気は誰でも罹りうる可能性があります。

そしてこの記事を読んだ方が「うつって脳の神経細胞が減少する病気らしいよ」と周囲に伝えることで、少しでも知識の範囲が広まってくれることを願います。

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