ACT療法 価値の明確化

人生とは航海のようなものである。

羅針盤を見つめ、目的地を目指す。

正しい航海には正しい羅針盤が重要となる。


価値とは

ACT療法のコアプロセスの一つ、価値の明確化について綴っていきます。

冒頭にあるように価値とは羅針盤のようなものであります。より良い人生を歩くための道しるべとなるものです。

我々は世論や周りの意見、同調圧迫などもあり自分の意見や価値観というものがとてもあやふやになっていることがあります。

また、辛い体験から回避行動を行ってしまい、自己の価値観そのものに接触する余裕がないなんてこともあります。

「自分自身を生きる」「自分軸」なんて言葉がありますが、価値を明確にすることで自分自身が望んでいること、したいことも明確になってきます。

例えば、

「人と関わることが好きなので接客という仕事をしたい」

なんて場合は人と関わることが好きという部分が価値になります。「人との関わりを大切にしていきたい」ということ価値を持っているということです。

接客の仕事をするという行動の動機づけになっています。価値とは行動の動機づけなのです。

・人とどのように関わりたいか

・自分自身とこんな風に関わりたい

・何を大切にしたいか

・どんな人になりたいか

・どんな良さ、強みを伸ばしていきたいか

このようなことに対して価値を見出します。


価値≠ゴールである


価値とはゴールとは違います。価値は常に行動できるものであります。

例えば

「結婚したい」これはゴールになります。

「パートナーに思いやりを持って過ごしたい」この場合は価値になります。

結婚することは目標でありいつでも出来るものではありません。また継続することが出来ません。結婚したらその目標は喪失します。

それに対して「相手を思いやりたい」という気持ちは常に持ち続けることが出来、行動に移すことが出来ます。

このように価値とは継続して行動できるもののことになります。

価値の取り扱い

価値に固執する必要はありません。価値に固執するということは認知的フュージョンになってしまいます。価値は柔軟に扱うことが出来ます。

また、「良い・悪い」で判断する必要もありません。世間では「この価値観はイメージがよくないから」と否定することはないのです。

ただし、自分や他者に対して破壊的な行為は価値ではありません。自傷行為であったり他者を傷つける行為は認知的フュージョンや体験の回避から行われています。


80歳のお祝いのスピーチ(エクササイズ)


あなたが80歳を迎えたとき、友人知人、家族とお祝いのパーティをしました。友人知人、家族はあなたに対してスピーチを行います。これは想像の世界であり非現実的な要素が含まれてもかまいません。

友人達になんて言ってもらいたいでしょうか。

それがあなたにとっての価値となります。

友人からこのように思われたいと思っているのですから。

まとめ

価値とは自分の人生の羅針盤でありより良い人生を歩くための道しるべであります。固執せず、「良い・悪い」で判断することもなく、いつでも出し入れ自由に柔軟性を持って扱うことが出来ます。自分の価値に導かれていないと「流されている・強制されている・人生の犠牲者」などと感じます。

アクセプタンス・脱フュージョン・今この瞬間との接触・文脈としての自己は自分の価値を明確化することにとても役に立ちます。霧が晴れるようにくぐもっていた頭の中がクリアになり、自分自身がどうしたいのか?ということがわかるからです。

価値を明確化するエクササイズはほかにもたくさんありますので随時紹介していきますね。


最後までお読み頂きありがとうございました。

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