シチューのルーを使った混ぜご飯
エッセイ系の、感想やら語りの入った実験レシピの記事です。純粋なレシピを探している方はご注意を。
おまけの語り(すっとばしてOK)
トウモロコシ粉のお陰で、キッチンに何とか立てるようになった冬籠もりの熊。
手のかからない簡単なもの。炊飯器なんて無いよ、でもご飯を炊くとか、大好きな大豆を煮るとかは、日にもよるけど出来るようになった。
野菜の皮剥きとかそういうのは、まだとても出来そうにない。
ただ冷凍ポタージュ用野菜ミックスを使い、お鍋にただ全部突っ込んで水を入れて茹で、ハンドミキサーで大好きなポタージュを作ることは出来た。最後にスープの素も加えてね。
ところで、フランスのお米は美味しくない。
日本のお米が美味しすぎるんだよ。食べ方も違うんで、一概に美味しくないと言い切ってしまうのは公平じゃないね。
それでも白米として、日本式に食べるには向いていない。というか、無理に日本式にしようとするほうが間違っていると思う。
そもそもこちらでは食事用には普通、長米を使う。インディカ米だっけ。
これはいつぞやの米騒動のときに、タイの方々がわざわざ送ってくださったのを文句垂れ流したり、国際的な米相場を崩したりと、日本が大問題を起こしたときのお米と同じ系統。
丸米、ジャポニカ米系もあるにはあるけど、これはお菓子用。Le riz au lait というお米を牛乳で炊いた甘い おじや みたいな冷菓によく使われる。日本人は苦手にしている人が多い。「お米が甘いのはちょっとね」と。
ぼたもちのある文化が何を言うという感じだけれど、好みは人それぞれだから。食べるなら断然キャラメル入りのがお薦め。ラムレーズンも入ってたらより美味しくて極楽気分。ただし、好き嫌いのない私みたいなのは稀って言う人もいるから試すなら気をつけてね。
ちなみに丸米だからといって、日本式のご飯を期待しない方がいいよ。最近はお寿司用というのも出てきた。それは試したことはない。味は長米と さほど変わらないのに丸米のほうが高い。
丸米でも熱々はともかく、冷めると厳しい。おにぎりとかね。炊きたてで作るおにぎりは何とかいける。でも崩れやすい。お米のくっつき方が違うんだよ。安いお米しか買ってないせいもあると思う。
長米・丸米とも、炊きたてでも輝いてないんだよ。日本のお米を炊くと、かぐや姫を発見したお爺さんかのようにお米の輝き方に感嘆するよ。
でもお粥が好きなんで、それだとお米の種類にかかわらずいけるのでーす。
お米を浸す
長米は、東南アジア系の料理は言うに及ばず、炒飯なんかにも合う。お箸じゃなく、スプーンじゃないと食べにくいくらいパラパラしてる。
トウモロコシ粉で浮かれている状態の時、「甘いものばかりじゃなく、少しは食事系を作ってみてはどうか」と理性が声高に言い始めた。それまでは処方される医薬用の栄養補助のスープなどで補っていた。
面倒臭くてとても出来そうにない。と思っているときに、急にアイデアが浮かんだ。
使えず残っているシチューの素とポタージュ用の野菜を入れてご飯を炊いたら、お粥より良いんでない?肉類は無くても別に構わない。でもふと、缶詰の在庫があるのを思い出した。鮭と鯖。ホワイトシチューなら鮭を入れたらおいしそう。これも両親が送ってくれたもの。
全部家にあるもので出来るじゃない。急にやる気になってきた。ラッキー。
昔からお米を量るカップなんてない。いつも使っている瀬戸物の器で、お米自称二合に大麦一合、あわせて三合を洗い、水に浸す。普段、大麦は水に浸さず直接投入して炊く。
こっちのお米って、下手すると小さい石が入ってたりするんだわ。洗う時は気をつけないといけない。それでも残っちゃって、歯がおかしくなるかと思うことが数年に一回はあるかな。外で食べるときもだよ。
途中無理っぽくなって、お米の状態が心配だったけど、何度か水を変えながら翌日まで水に漬けたまま放置することとなった。水切って置いとくなんてのは、とても出来る状態じゃなかったんだよ。選択肢がなかった。それにこれなら早く炊けるだろう。ポジティプシンキングで行こうや。
お米とルーをお鍋へ
翌日。まずお米を半分ほどお鍋に入れて、これまた両親が送ってくれた「クレアおばさんのクリームシチュー」のキューブを二個入れた。
二個にするか三個にするか悩んだ。一個じゃ少ないだろうけど、三個入れてシチューっぽくクリーミーと言うか、ドロドロになるのは望んでなかった。目指していたのはパラパラ。
そして残りのご飯を入れて、キューブを埋める。いい塩梅に溶けますように。
鮭の缶詰投入
それからこれも送ってくれたカルディの鮭缶を開けた。カルディだったから、普通に肉々しい部分が入っているかと思いきや違った。が、気にしない。明らかな骨だけの部分もあったけど、それも使う。これ、独特の歯ごたえがあって好きなんだよね。
あとで缶を良く見たら、原材料のところに「さけ中骨水煮」と書いてあった。ああ、これなら納得。側面にもしっかり書いてあるがな。もちろん汁は捨てず、お米に入れる水の一部として使用。お水を量る前にこの缶に入れて濯ぎつつ、お米と同量3合分を入れる。無駄は一切せぬ。
十分すぎるほど漬けていたけど、シチューの素を入れているのでゆっくり炊きたかった。だから水の量は念の為、更に半量ほど足した。
冷凍野菜を投入
それから冷凍ポタージュ用野菜を取り出す。この野菜ミックス、たぶん色んな商品の切端を集めたんだと思うんだけど、小さいから火の通りが早い。
グリーンピース・人参・いんげん・カリフラワー・じゃがいも・長ネギ・セロリの親戚のセルリアック(根セロリ)と種類も豊富。凍って一塊になっているのを、台の端に何度か叩きつけて分解。そして投入。
スープの素を入れるか一瞬悩んだけど、シチューの素がどの程度の味を出すのか読めない。薄いぶんには後から足せるけど、濃すぎたら嫌だなと入れずに鍋を火にかけた。
炊く
炊いている間、予想外にも思ったほどシチューの匂いがしない。代わりに鮭の香りが強い。臭み取りに生姜を入れるつもりだったのに忘れたのに気付いた。面倒くさいからもういいや。
本来、水に十分浸したお米なら30分ほどで炊ける。でもシチューが入ってるから、素のせいで下は焦げて上は生煮えなんてのは避けたかった。だから一時間ぐらいかけてゆっくり炊いた。
混ぜる
ルーは均等に溶けてるんじゃなく、置いた場所周辺でまとまっているんじゃないかと予想。全体をゆっくりかき回す。いい感じにパラパラ。見かけは望み通りの出来具合。ワクワク。
写真のお米を見て!炊きたてなのに、日本のと違って輝いてないの分かる?これが普通なんよ。丸米でも同じだよ。
試食
そして試食。
ありゃ、シチューの味がほとんどしない。
期待していた味が…。
えええ、かなりがっかり。
かき回し方が足りないのかと、ルーを置いた辺りを特に注意して全体を混ぜる。んで食べてみる。変わりなし。パンチがない。というか、味がほとんどしない!ただし鮭の風味は、缶詰の中身の割に想像以上に良かった。物凄く鮭!とにかく鮭!
スープの素を加える
スープの素の投入を決める。こっちのスープの素って日本のより大きいのね。鶏と牛があって、鶏の方が合いそうな気がしたけど未開封で、牛のは開いてたのでそっちにする。面倒臭がりなの。良く言えば全ての行動がミニマリスト。
味が濃くなるのは避けたい。どれだけ入れれば良いのか分からないので、最初は試しに半分も入れずにかき回してみた。パンチが足りない。スープの素って罠があるんだよ。混ざったと思ったら実は小さな塊で残っててそこだけ味が濃くなるっていう。
素は開けると半分が包から出るから、出た分だけ入れた。まだ足りない。潰し残しがないか、本当に無いかをよくチェック。んで結局一個全部入れた。そうしたら、急にクリーミーさが強調され、シチューの味が活きてきた!
いただきます!
さっそくよそって、頂く。おいしー。冬籠もりの熊が炊けたよ!お米を研いだ初日は動けなかったものの、何とか成し遂げた。更に手軽でおいしかったから大満足。とにかく予想外に鮭の風味が凄い。でも不思議なくらい全然生臭くない。お陰で臭み消しの生姜を炊き終わってから足さずにすんだ。
スープの素の罠はなかったけど、代わりにシチューの素の罠があった。きちんと混ざって無くて、塊で妙に濃い部分があったー!だからお茶碗もどきの中でかき回してならした。おかわりもしたよ!
牛乳は使いたくなかったんだよね。それでもルーのおかげで、とても優しい味に仕上がっていた。
反省と次回
こんなに簡単に作れるなら、また出来そう。冷凍ポタージュ用野菜は、まだ一回分はあるだろう。今度はシチューの素三個で作ってみる予定。スープの素なしでいきたいんだよね。
んでルーはお米に埋めるんじゃなく上に置いて、炊きあがったときにムラの無いようドロドロの固まりが見える状態で混ぜたほうが効率的ではないかと。カレーのルーもあるんだよ。ってことは、それでも出来るってことじゃない。ラッキー。
今の私には、カレーもシチューも作れそうにないから、この炊き込みご飯は最高。野菜も取れて、肉や魚など入れても入れなくてもいいしアレンジも効く。お手頃価格で簡単で美味しくて大満足。
ルーと缶詰を送ってくれた両親に感謝。ありがとねー。すごく役立ってるよ〜。ごちそうさま。食べる時はチンすればいいだけだし、また作れそう。というか、もう作ったよー。
レシピ
二回目
で、作ったんよ。ルー3個で。結果から言うと、2個のときと変わらない。違いが全然分からなかった。炊き終えて試食したあと、今回はスープの素じゃなく塩をひとつまみ強、加えてみた。
折角の貴重なルーなのに、一つ無駄にしてしまったような罪悪感と悲しみが…。塩よりもスープの素のほうがいいね。ルーを活かしてくれる。
あと炊くときに、ルーをお米の上に乗せるのは正解。こっちの方が断然混ぜやすかった。
何だかんだ書きつつ、ありがたくおいしく頂いたことには変わりないよ!
次からは2つのルーとスープの素だな。鮭缶は使い切ったので、鯖缶か lardons というベーコンを切ったみたいなものをいれるか、ベジタリアンか。そのときの気分次第かな。
そういうアレンジがいくらでも効くズボラなとこが、このレシピのいいところ。食作りに難を持ってる者としては、大満足でーす。
で、日本で美味しいお米が手に入る方。特に新米とか。それは普通に白いご飯として味わって頂きたい気がするなあ。ちょっと難ありのお米のときに力を発揮するレシピです。
レシピ記事
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