【カメラ】「機材はなんでもいい」の罠
SNSで発信をしている写真家やYouTuberが時折口にするセリフ
「機材はなんでもいい」
当初は自分も同じ考えだったんですけど、最近になってきていや、これはちょっと違うぞと思うようになってきたので、そのことについて話していきます。
やっぱり、ちまたにいろんな種類のカメラがあるのには、ちゃんと理由があるのです。
どんなシチュエーションで使うかによって、求められるカメラは違う
正直、表題の一言で結論でちゃってます。
カメラって、とりあえずどの機材でも連写はできるし、それなりにきれいな写真は吐き出せるじゃないですか。
でも、実際性能差はあるんですよね。やっぱり。
これは一例ですが、特に野鳥とかスポーツとか、そういう動きモノを撮る人にとっては、機材は重要になってきます。
野鳥とかスポーツ用途の人が使う機能といえば、連写機能ですよね。連写機能がないと、撮影がかなり大変です。
今どきのカメラであれば、たいてい秒間10枚の写真を撮ることができます。ぶっちゃけ、これだけの枚数が撮れればある程度の人は満足できると思います。
が、大事なのはここから。
カメラには、バッファという、一時的に撮影したデータを記録する場所があるんですよね。
撮影した写真は一時的にバッファに保存された後、SDカードにデータが書き込まれます。ただ、バッファの容量はカメラによって大きく差があるんです。
例えば、α7CIIとα9IIIの連続撮影可能枚数はこの通りです。
(RAW(ロスレス圧縮)+JPEGの枚数を書いています)
・α7CII 20枚
・α9III 96枚
つまり、秒間10枚撮影するとして、α7CIIでは2秒しか撮影できないのに対し、α9IIIでは10秒近く撮影できてしまうわけです。連続撮影可能枚数が多い分、貴重なシャッターチャンスを逃すことがなくなります。そのため、この差はかなり大きいわけです。
写真の写りとかそういうところではなく、バッファなどの機械的なスペックで、カメラの性能って結構変わってきます。今はデジタルカメラ、コンピュータの世界ですから。
ちなみに、カメラは機材じゃないって言ってる人たち。いますよね。
Rからはじまる人とか特に。
あの人達、使ってるカメラ地味にいいやつですからね。
今紹介したRの人は、D850(ニコンの高級一眼レフ)やハッセルブラッド(クソ高いカメラブランド)をよく使ってます。これまでの動画や写真を見たらなんとなくわかります。
このRの人はポートレートを主に撮っているそうなんですけど……たしかに、ポートレートであればどのカメラでも対応できると思います。それこそコンパクトデジカメや写ルンですでも撮れます。実際この人も写ルンですでポートレートを撮った動画を上げています。
でも、実際に仕事で使うってなったらAPS-Cや写ルンです、スマホのカメラなどは一切使わずに、D850やハッセルブラッドを使ってるわけです。
「これで仕事してくれ」といって写ルンですを渡しても、自分のメインの仕事では使わないと思います。結局、どんな写真家でも機材は選んでるんですよね。
どうやって機材を選んだらいいのか
これは、最初のカメラを選ぶ時、そして買い替えるか買い増しをする時かによって大きく変わってきます。
最初のカメラを選ぶ時
これは簡単です。好きなのを選びましょう。
カメラを最初に買う時って、よほどの理由がない限り、何を撮るかってあんまりはっきりしていないと思うんです。そして、仮に最初「友人の写真を撮るんだ!」って言って買っても、実際買ってみるとスポーツ撮影にばかり使ってた。そういうこともあるわけです。
自分がカメラをどう使うか不透明。だったら最初のカメラは気に入ったのを使いたいじゃないですか。
というわけで、最初のカメラを選ぶ人は、好きなカメラを選びましょう。
「あのYouTuberが使ってた」
「このカメラがかわいい」
そんな理由でいいわけです。好きなカメラを選びましょう。
買い替え、買い増しの時
この段階に来た人は、カメラをどんな用途で使うかがはっきりしてきていると思います。
なので、自分の用途にあったカメラを選びましょう。
スポーツ撮影をするなら連写やバッファに強いカメラ。夜間の撮影をするならISO感度とノイズ耐性に強いカメラ。というように。
例えば、ということで私の例を紹介します。
私は、1台目のカメラはα6400を使っていました。
その時、私は主にポートレートとスナップを撮っていました。
このような用途であれば連写はしないですし、正直なんでもいいのです。
が、私は新しくカメラを導入するにあたって譲れない要素が2つありました。
それは、
・フルサイズセンサーを搭載していること
・小型軽量であること
です。
スナップ撮影は日頃の生活で頻繁にするものですから、いつでもどこでも持ち運べる小型軽量なカメラのほうが有利です。
だからといって、今のカメラより画質のいいカメラが欲しい。だからフルサイズセンサーが欲しい。
というわけで、私はα6400からα7CIIに買い替えました。
機材はなんでもよく……はないだろう
今回は、「機材はなんでもいい」という意見に対して、いやそれはちょっと違うんじゃないか、という考えを書いてみました。
究極なところを突き詰めれば「好きなカメラを使え」にはなるのかもしれませんが、自分がどんなシチュエーションで写真を撮るかによって、ある程度機種は選んだほうがいいように思えます。
もちろん、どんな機材でもある程度いけるにはいけるんですけどね。突き詰めるなら選んだほうがいいよね、という話でした。