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サミール・オカーシャ『哲学がわかる 科学哲学』読んだ

オックスフォード大学のVery Short Introductionシリーズの科学哲学編である。

文章は平明にみえるのだが、中身はそれなりに骨太であんまり理解できなかった。

科学のルールは言語ゲームのそれとたいして変わらず、あるとき突然ちゃぶ台返しされる可能性がある。そういう意味で、科学と疑似科学の線引きは簡単ではないのである。

東浩紀ならそれを訂正可能性に開かれているというだろうが、そんな格好いいものなのかという気もする。

当然、トマス・クーンについても解説されている。平常時の科学は特に新しい発見はなく、既存のデータを追認するようなことばかりが報告される。その中で矛盾が蓄積されていくと、科学革命がおこるのだと。

そうやって更新され続ける科学に関して、今のところ偶然にも正しく現象を説明できているにすぎないと批判することは常に可能である。
しかし、現実に科学を用いていろいろなことがうまく回っている。こうやってネット上に文章を公開することもできる。

これが偶然にすぎないというならば、奇跡的なことが長期間継続して起こり続けていることになる。

これ帰無仮説の棄却みたいだなあと思った。つまり科学の正しさってそういう形でしか説明できないのかもね。


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