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秘密結社フード集団【怪談・怖い話】

あたしは、都市伝説として語り継がれる「秘密結社の倉庫」の噂を確かめるため、闇に包まれた廃墟の倉庫に向かった。友人の説得もむなしく、好奇心が勝ってしまったのだ。

倉庫の扉を開けると、内部は薄暗く、埃っぽい空気が充満していた。床には古びたCDケースやポスターが散乱し、箱が無造作に積み重ねられていた。あたしは、緊張感に包まれながらも、一歩一歩奥へ進んだ。

奥に進むにつれ、倉庫内の陰影がますます不気味に感じられた。光が届かない隅には、黒いフードをかぶった影が潜んでいるようだった。あたしは、なぜかその影に引き寄せられるように進んで行った。

突然、背後で物音がした。振り返ると、そこにはフードをかぶった複数の人物が立っていた。彼らの顔は暗闇に隠され、ただ光る目だけが見える。全身が冷えたような感覚が走り抜け、あたしは一瞬にして恐怖に包まれた。

「何者なの?」あたしは声を震わせながら問いかけたが、彼らは無言のまま近づいてきた。緊張感が高まり、あたしは身動きが取れなくなった。その時、リーダーと思われる人物が一歩前に出て、手にした古びたCDを差し出してきた。

「これが真実だ」と低い声で言った。その声はどこか懐かしく、あたしは思わずそのCDを受け取った。CDを見つめると、そこには謎めいた文字が刻まれていた。あたしはそれを見つめながら、背後にある古びたポスターに目を移した。

そのポスターには、フードをかぶった人物が描かれていたが、よく見ると顔が隠されていた。あたしは一瞬、自分の顔がポスターに映し出されているような錯覚を覚えた。その瞬間、フードの集団が一斉に動き出し、あたしを取り囲んだ。

「あなたの過去を暴く時が来た」とリーダーが再び低い声で言った。その言葉に反応するように、あたしの記憶の中に封じ込められた過去がよみがえってきた。

幼い頃、あたしはこの倉庫で迷子になったことがあった。その時、優しい声で導いてくれたのが、このフードの人物たちだったのだ。彼らは、あたしの記憶の中で隠された存在であり、あたしの人生を守るために陰から見守っていたのだ。

真実を知ったあたしは、恐怖から解放された。しかし、最後の一言で全てが覆った。

「あなたも我々の一員だ」とリーダーが告げた。その瞬間、あたしの視界が暗転し、次に目を開けた時には、自分もフードをかぶり、集団の一部となっていた。

あたしは、一生この闇の世界で秘密を守り続ける運命に囚われたのだと悟った。

あたしがフードの集団に囚われた日から、数か月が経過した。

日常は一変し、あたしは暗闇の中で生きることを強いられた。しかし、その生活には徐々に慣れていき、仲間と共に過ごす時間が増えるにつれ、かつての恐怖は薄れていった。

ある日、倉庫内の地下室で新たな任務が与えられた。それは、都市伝説として語り継がれる「秘密の箱」を発見し、その中に隠された真実を守ることだった。あたしは数人の仲間と共に地下室の奥深くへ進んだ。

地下室は一層暗く、冷たい空気が漂っていた。懐中電灯の光を頼りに進むと、古びた箱がいくつも積み重なっている場所にたどり着いた。その中の一つ、大きな木箱に鍵がかかっていた。

「これが例の箱だ」と仲間の一人が言った。あたしは慎重に鍵を外し、箱の蓋を開けた。中には古い書類や写真がぎっしり詰まっていた。写真の中には、フードをかぶった集団の姿が何枚も写っていたが、その中に一枚だけ見慣れた顔があった。

それは、あたしの祖父の写真だった。驚きと共に、あたしはその写真を手に取り、仲間に見せた。

「これは……祖父?」あたしの声は震えていた。

「お前の家族もこの集団の一員だったのかもしれないな」と仲間の一人が言った。その言葉に、あたしは祖父が何故この秘密結社に関わっていたのかを知りたくなった。

書類を読み進めると、そこには祖父の名前が何度も出てきた。彼はかつてこの秘密結社のリーダーだったことが判明した。そして、彼が守り続けた秘密が書かれていた。それは、倉庫の地下に隠された古代の財宝の存在だった。

「我々の使命は、この財宝を守ることだ」とリーダーが言った。

その日から、あたしは祖父の遺志を継ぎ、財宝を守るために奮闘する日々が始まった。暗闇の中での生活は決して楽ではなかったが、あたしには新たな目的が生まれた。

数年後、あたしはついに秘密の財宝を発見した。それは、金銀財宝ではなく、古代の知識を記した書物や文献だった。あたしはそれを読み解くことで、人類の歴史に隠された真実を知ることができた。

その知識は非常に価値があり、それを悪用しようとする者も現れた。しかし、あたしはフードの集団と共に、その知識を守り続けることを誓った。祖父がそうしたように。

最初は恐怖に包まれたこの場所が、今ではあたしの使命と誇りの象徴となった。そして、あたし自身がこの暗闇の中で生きる存在であることを受け入れ、次の世代にその使命を引き継ぐ準備をしているのだった。


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