#820 広報論37|採用広報 虎の巻 ~求職者を安心させるアウトプット~
前回に紹介した「採用広報」において、より具体的な例を本日はご紹介しましょう。
求職者の傾向
今日の就職活動におきましては、求職者は色々なチャネルで企業と接点を持ちます。
前回採用論で紹介したのは「DR(ダイレクトリクルーティング)」であり、企業から求職者にアプローチがある方法ですが、他にもエージェントの紹介や、求人サイトの閲覧など、色々なチャネルで求職者は企業と接点を持ちます。
そして、企業を知った際に、84%の求職者は「企業ホームページ」を見に行きます。むしろ15.2%の見ない連中はどうかと思いますが・・・
そして、企業ホームページに加えて「採用サイト」を見ます。
採用サイトの有無で企業の印象が変わるという回答も62.4%という評価ですが、むしろ残り37.6%の人は(略)
そして採用サイトで重要なのは「アウトプット」の内容です。
採用広報で最も重要なのは、このアウトプットだったりしますね。
求職者に向けたアウトプットとは?
この辺のアウトプットはメチャクチャ大事です。
僕は仕事柄というのもありますが、採用ページ周りはメチャクチャ細かくチェックしますし、求職者もここはチェックしているという事を念頭に置いて、アウトプットをデザインしていく必要があります。
1. 求人票
「初任給」「勤務形態」「仕事内容」を知る求人票のチェックは求職者にとってメチャクチャ重要なのですが、多くの企業は「分かりずらい求人票」を出してしまっています。
例えば、求人を出すのは無料のケースが多いので、色々な媒体に色々な情報を掲載し、情報の整合性が取れていないことは非常に多いです。
求職者が「どっちが言ってるのが正しいんだ?」と思ってしまう時点でアウトですね。
同様の観点で、情報が古すぎてメンテナンスをしていないのも良くないですね。全般に言える事ですが、適度な更新が必要です。
2.採用担当ブログ
これもメチャクチャ重要です。
最近ですとnoteを使ったり、Wantedly内の「ストーリー」を使ったり、そのまま企業ドメインのブログをWordpressで使ったり…という企業が多いと思いますが、ここも求職者は見ています。
観点で言うと「更新性」と「独りよがりの文章で無いか」と「採用に寄っているか」が重要ですね。
採用ブログははっきり言ってセンスが大事なので、しっかりと求職者が楽しめる内容を書くべきですし、外注を使ってでも充実させるコンテンツと思いますね。
3.社内ニュース
社内で起きた情報も採用広報の観点では重要です。
「新サービスができた」「社内イベントを開催した」など、何でもいいんです。
事業の充実と、従業員が楽しんでいる感じ、この2つはタイヤの両軸ですので、どちらかではなくて両方を充実させて発信し、「会社の勢い」をアピールするのがベターですね。
4.社員インタビュー
こういうのもあればあるほど良いんですが、大事なのは「辞めた人の情報を残すな」という観点ですね。
Aさんのインタビューに惹かれて入社したのに、Aさん居ないの?とかはもう悲劇です。この辺の更新のバランスは大事ですね。
5.SNS
そして最近ですとSNSも大事です。
一番やっていけないのは「アカウント作って放置」ですね。
あとネタツイートとかもハイリスクローリターンなので辞めておくのがベターですね。
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他にもありますが、一旦上記を「採用広報」におけるアウトプットと定義します。
これらを掛け合わせて、どう「安心」させるかを紹介してみましょう。
求職者を「安心させる」アウトプットとは?
もう上で言ってしまっている内容もありますが・・・
とにかく求職者を安心させるためには「入社後にイメージがつく」ようなアウトプットであるべきですし、「健全に動いている」ことを押し出すべきなんですね。
1. 更新性
これは前回も伝えていますが、本当に大事なんです。
更新が滞っているだけで「だらしない企業」と思われますし、「この他の情報も大丈夫か?」と不審がられてしまうんです。
特にSNSが顕著なのですが、新しい事にチャレンジするだけチャレンジして、放置してしまうというのはやりがちであり、気持ちは分かるのですが…
内容云々の前に、「施策を続ける事」が第一歩です。
更新が頻繁であれば「勢いのある企業」とも、「広報がしっかりしている企業」とも思われますので、なんとかこの作業は捻出したい所ですね。
2. 透明性
入社前からどれだけ会社を理解できるかは重要です。
僕個人としては「組織図」と「マネージャー」の情報は全て公開しておくべきと思ってます。
そして、どの部署には何人くらいいて、どういう仕事をしているというのが分かれば求職者は安心して応募できるかなと。
結構企業は「自社の論理」というか、狭窄した視野で語ってしまうことが多いのですが、その会社用語は求職者は分からないんです。
なので、誰が見てもわかるような組織形態を出せれば最高です。
そして、この観点があればアウトプットの質もガクンと良くなったりしますので、「誰が見てもイメージできるアウトプット」の意識は大事ですね。
3. 権威性
後は、「この会社は入るに値するか」をジャッジする、社会的信用も非常に重要です。
例えば「メディアに紹介された」とかはかなり強いですので、このようなのはガンガン押し出していくべきですし、「導入*件突破」とか、そういう節目の数字とかもガンガン出していくのが良いでしょう。
そして、本当にネタが無い時でも「**周年」とか、「**開始」とか、いくらでもひねり出せるはずです。
この辺も意識していきたいですね。
4. 成長性
そして最後は何と言ってもこれですね。
1~3を含めた形になりますが、そこで成長を感じられるかが一番安心できるポイントな気がします。
売上はもちろんですが従業員数とか、求人数とか、その辺も企業成長を見るポイントとなりますので広くチェックしましょう。
5. フィーリング
そして、上記の1~4が安心できるうえで、最後は「合う」「合わない」が極めて重要ですね。
「上記1~4全て満たすけど陽キャラしかいなくて自分は馴染めなそう」とかの懸念があれば、その会社は考えた方がいいです。
最期は精神論というか、直感で信じるべきなんですが、そこに到達するまでには色々な情報が必要であり、故に採用広報の情報が必要なんですね。
まとめ
そんな感じで採用広報のアウトプットにおける重要性を書いてみました。
そしてここで難しいのが、上記のアウトプットをする=採用応募に繋がるというのは早計だったりするんです。採用広報は直接的ではなく、間接的な意味合いで必要とされることが多いので、応募を迷っている人の背中を押すのが採用広報かも知れません。
とにかくアウトプットは大事なので、量にも質にもこだわっていきましょう!