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嘘の数【詩】

一つ備わった私の心臓の
心拍数には限りがあるという
同じように
一生につける嘘の回数が
予め決まっているとしたら
私は今日までにいっぱい嘘を
ついてきたから
あと何個の嘘が残ってるんだろう
さっきの嘘は
最後から何番目の嘘なんだろう
誰かのためについた嘘ならば
カウントなしってことにしよう
そうしましょうと
私はせめて生き延びようと
かかとをぴーんと引っ張り上げると
終電いっぱいのつり革が
首を振ってNOと言う
なんだよ、
丸顔のくせにああ世知辛い
明日には花見の誘いを断らなきゃな
吸って吐いてまた吸って
ホロリと嘘

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東京花束
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