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「最後の対決」と「人生哲学」

ロッテにはぜひ第1ステージを勝ち抜いて欲しい。能見投手と鳥谷選手の元・タイガース対決、ぜひ見たいです。

前回の対戦は何度も見返しました。変に馴れ合うこともなく、ピンと張りつめた空気の中で静かに向き合う姿に痺れました。この時期のプロ野球は無観客だったのですが、おかげで「一対一の果し合い」みたいな緊迫感が生じ、ふたりだけの世界を堪能できました。

ふたりとも基本的には「背中で見せる」「黙々とやるべきことをやる」タイプです。まず行動ありき(鳥谷選手は球場入りして準備するのが誰よりも早いと聞きました)。だからこそ発する言葉のひとつひとつに重みと説得力が宿るのでしょう。特にコーチを兼任する能見投手のアドバイスは若い選手が多いオリックス投手陣にかなりいい効果をもたらしたようです。

「黙々といい仕事をする」という意味では鳥谷選手の選球眼もポイント。私はこの「出塁率」の価値を名著「マネー・ボール」で知り、彼のプレイで「こういうことか」と実感しました。どんなに素晴らしいバッターでも打率4割は残せません。10回打席に立つと7回失敗する。そう考えると「ヒットを打つ」と同じくらい「アウトにならない」が大事になってきます。

落合博満氏も著書の中で書いていました。「勝てないときは負けない努力をするんだ」と。人間誰しもバイオリズムの流れが存在します。いいときばかりではない。でも状況が良くないからこそ投げ出さず、負けないようにしつこく粘る。その積み重ねが結果的にサイクルの改善を早めてくれる。

「ヒットが打てないときはフォアボールを選ぶ」。これはプロ野球の概念を超え、いまや私の人生哲学のひとつになりました。

もしCS最終ステージで彼らが対戦したらどうなるか。能見投手が三振を奪う姿を見たいし、鳥谷選手の華麗なヒットも堪能したい。と同時に「ファウルで粘った末にフォアボールで出塁」なんて結末にもこっそり期待しています。引退する鳥谷選手の生き様を象徴するワンシーンになりそうだから。CS、楽しみです!!

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