目指すは「幸運な男」
ファミコン世代ならつい目を奪われてしまう題ですね。「スペランカー」は私の中で「魔界村」と並ぶ高難度アクションゲームの金字塔です。
身長の高さから落下しただけでアウト。「お宝を求めて迷宮を探検するような主人公がそんな虚弱体質なの?」ということで、いつしか怪我による離脱の多いアスリートを「スペランカー」と呼ぶようになりました。
故障に泣かされたスポーツ選手で私が真っ先に思いつくのは、元・東京ヤクルトスワローズの伊藤智仁選手です(いまは同チームの一軍投手コーチ)。ただ彼の場合、ルーキーイヤーの93年に野村克也監督に酷使されたのがそもそもの原因でした。ある試合では193球も投げ、しかもそこから中4日で先発。いまだったらあり得ません。
一軍復帰に3年を要し、97年にはクローザーを務めました。このときも当初は「連投はさせない」という起用法でしたが、記録を見ると何度かしています。
↓の対談がとても胸に染みました。ノムさんの中でもずっと気になっていたことなんですね。そして謝罪に対する伊藤さんのリアクションが何というか人として見事でした。本音がどうであれ、この姿勢は素晴らしい。頭が下がります。お手本にさせていただきます。
伊藤さんに興味のある方には↓もオススメです。著者はノンフィクションライターの長谷川晶一さん。熱いヤクルトファンとして知られています。
最後に。私はDeNAファンでも巨人ファンでもないので梶谷選手のことを詳しくは知りません。あるいは彼にも安易な「スペランカー」認定をしてはいけない事情があるのかもしれない。怪我をしたくてするアスリートなどいませんから。
故障はして欲しくない。でもそれを過度に恐れる臆病なプレーも見たくない。だから全力で頑張った結果の怪我は責めないことにしませんか?
梶谷選手、私は阪神ファンですがあなたの存在を胸に留めておきます。「スペランカー」疑惑を吹き飛ばし、伊藤コーチみたいな「幸運な男」になることを密かに祈っています。