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「祝・G1優勝」&「あの日買えなかったTシャツ」

2014年11月4日。

久し振りにプロレスリング・ノアの後楽園大会を観戦しました。

メインが終わり、森嶋猛選手率いる超危暴軍が締めのマイク。文字面からヒール集団と捉えていました。しかし大原はじめ選手は「人生って本当にムイビエンですね」とにこやかに話し、リーダーの森嶋選手は「かかってきなさい! かかってきなさい!」と叫ぶのみ。

いまはこういう感じなのか。そんな気分でドアを開けました。

すると入り口前の売店スペースで外国人レスラーが自身のTシャツを掲げ、声を張り上げている。元気に騒ぐマイキー・ニコルス&シェイン・ヘイスト両選手の横ではにかんでいたのがザック選手でした。

実はその日の試合で最も面白かったのが「原田大輔 vs ザック・セイバーJr.」のGHCジュニアヘビー級選手権。私のなかでは2014年のベストバウトです。ザック選手のレスリングを初めて会場で目の当たりにし、関節技のテクニックに驚き「この人は成功する」と確信しました。

シャイな笑みを浮かべる彼を見て足を止めました。でも財布を覗くと手持ちが微妙。迷っていたら、横の男性客が「将来大物になるから買っておこう!」とTシャツを手に取りました。

あの人はいまもプロレスを観ているのでしょうか? だとしたら鼻が高いはず。

ザック選手は2011年に来日し、ノアの合宿所で留学生として生活していました。言葉も文化も異なる外国で、しかも礼儀や上下関係に厳しい体育会の空間。本当に大変だったはず。2019年からは日本に定住し、某感染症が流行っていた頃にもイギリスへ帰国せず、新日本プロレスのリングで熱いファイトを見せてくれました。

こういう人が報われなきゃ嘘でしょう。

ザック選手、G1優勝おめでとうございます。あの日買えなかったTシャツは、近々闘魂ショップで購入させていただきます。

作家として面白い本や文章を書くことでお返し致します。大切に使わせていただきます。感謝!!!