「主役」よりも記憶に焼き付く男
↑の29分25秒ぐらいから、中邑真輔選手の関わるストーリーが始まります。試合のダイジェストは↓。
プロレスに言葉の壁はありません。予備知識ゼロで楽しめる万人向けのエンターテインメントです。
と同時に、ふたりが闘うに至るまでの流れをわかっていた方が盛り上がるのも事実でしょう。
真輔選手が照準を定めたのは、現インターコンチネンタル王者のグンター。そのためにまずは、彼の子分であるカイザーに挑戦状を叩きつけたわけです。
ドイツ出身でリングネームがカイザー。すごくないですか? 皇帝ですよ。銀英伝ファンとしては「マインカイザー」と呼びたくなります。そして彼のクセの強い話し方がインパクト絶大!!
ヴィジュアルも「プライドが高い、堅物のエリートドイツ人」のイメージそのもの。特に髪型や表情が浦沢直樹のマンガに登場するキャラクターを連想させます。逃亡系サスペンス「MONSTER」に、たしかこういう顔の若い刑事が出てきたような。
このカイザー、試合後は敗戦をグンターに叱責され、チョップを何発も胸に叩き込まれます。一生懸命痛みに耐える姿と表情がまた忘れ難い。時代劇における斬られ役の名優のように主役を立てつつ、でも確実に記憶へ焼き付いてきます。
いまはジャイアンに従うスネ夫みたいな存在。しかしいずれベビーフェース(善玉)に転向し、グンター以上に成功する気がします。
真輔選手も現状では「主役」ではないかもしれない。でもリングにおける表現力の高さでは誰にも負けていません。だからこそ常にポジションを得て6年も生き残っています。
いつか新日本プロレスに帰ってきてほしい。でもこういう楽しそうな姿を見ていると「アメリカでもう一花!」と応援したくなるのもたしかなのです。
WWEの日本公演が待ち遠しい。その時はぜひ「中邑真輔 vs カイザー」をお願いします!!