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【メンタル不調の人のための読書室:ゆるっと本のまとめ】「躁鬱大学」~気分の波で悩んでいるのは、あなただけではありません~(著:浜口恭平)(その1~神田橋語録)

*双極性障害(双極症)をかかえながらも、大好きな読書から、メンタル不調の方に参考になりそうな書籍を簡単にまとめていきます。
ちょっとだけ目を通してもらい、何かのヒントになれば幸いです。

この書籍は、双極性障害について独自の知見をもっている、精神科医・神田橋修治さんの考えを口述したものをまとめた「神田橋語録」をもとに、著者である浜口さんが双極性障害の人が生きやすくなるにはどうすればいいのかが書かれています。
なお、この書籍では双極性障害(双極症)を「躁鬱病」、罹患している人を「躁鬱人」と記載してありますので、それに沿って記載していきたいと思います。

著者・浜口さんが躁鬱病と診断されたのは、2009年(31歳)のとき
始めは自分が躁鬱病と公言していなかった
医師から、毎日服薬すること、疲れすぎないようにすること、ちゃんと寝ることを言われ、これらが守られて、いちおう仕事ができていて、生活が破綻していなければいいというスタンスだった
「窮屈だ」と感じていた
「何かが足りない」と感じていた
途方に暮れいたときに神田橋修治さんという精神科医を知る。
「神田橋語録」を読み、励まされ、長った鬱から抜け出し、躁状態に入るのではなく、体がポカポカ暖かくなった。

その1:「躁鬱病が治らないのは体質だから」
・躁鬱人が不正を正すために怒りを感じ行動するのは注意が必要
 それは、正しい行動でもなんでもなく、躁状態に入っているサイン
・躁鬱人は、あらゆる行動は人のためにやっているのでなく「自分のため」にやっている
・怒りを誰かにぶつけると体の調子がおかしくなる
 神田橋語録に「躁鬱人は、人の顔色を見て気を使うといった平和志向型なので、他者との敵対関係に長く耐えられません」
 躁鬱人は、人の顔色を見る、気を使うといわれる。 
 そんな時、坂口さんは「大胆かつ繊細です」と返すようにしている
・怒りを感じたときに、他者にぶつけてはいけない(躁状態を助長させる)
 →怒りを感じたときの対処法
  何かに自分が文句があるなら、それを自分でやってみる
  問題解決のためには、徹底的に動く
・自分のことしか考えていない
・褒められるために生きている
つまり…躁鬱病は性格じゃない!一種の体質ということ
上に書いたようなことを、自分の体質だと知っていると動揺せずにいられる
性格だと思うと怒りが発生してしまうので、要注意

その2:「心が柔らかい躁鬱人のための返事の術」
神田橋語録より「(躁鬱病は)心が柔らかく傷つきやすい人たちに多いです。特有の滑らかな対人関係の持ちようは躁鬱病の証拠です」

~躁鬱人がなるべく傷つかないでいるには~
・躁鬱人は、友人知人の何気ない一言で傷ついてしまう
・灯台を決めておく。家族以外の人で。
 この人の声ならば、ちゃんと耳に入れるいう人を決めておく。
・躁鬱人は優しすぎるので、知らない人には声をかけない
 疲れてしまうので
・「怒り」「疲れ」は同様に鬱状態になっていくきっかけの一つ
・躁鬱人は「力を抜く」ことをほとんどしていないので、意識して行う
・躁鬱人は、心が柔らかい=どうにでも変化する=自分がない
 常に評価の基準が他人
 でも、それを悩むことはない
 それが躁鬱人だから!
・最良の薬は「君はすごい!」と褒められること(金も名誉もいらない)
 自分がすごい人間なんだとうぬぼれることこそが、最高に幸せな瞬間

繰り返しになりますが、大事なことは、躁鬱人である自分が「そういう人間なんだと」と自覚しつつ生きていくこと。
自分の特徴を理解し、自覚して生きればいい
指摘されたときに即答できる返事のテンプレートをあらかじめ作っておく
テンプレートがあると、怒ることも少なくなる

躁鬱人は
 人で出会って
 人と話して
 人に優しくして 幸せを感じる
 多方面からの人間関係によってラクになる
 人間関係で傷つくのではなく、返事の技術を身につけていけば、躁鬱人の栄養である「褒められる」可能性が高くなる。

その3:「居心地が悪いなぁと感じたらすぐに立ち止まる」
その1にもありましたが、「躁鬱人は、人の顔色を見て気を使うといった平和志向型なので、他者との敵対関係に長く耐えられません」
・躁鬱人は会合などで人が集まると、まずはよく人を観察する
・集まった人に何か元気じゃない人がいないか観察する
・空気を読むことにたけている
・躁鬱人は周囲を和ませようと試みる
・一人でいる時も、誰かを喜ばせると思うとどんなこともできる
・小さな行為でも、人に見えせて、リアクションしてもらうと栄養になる
・躁鬱病の再発は、普通の人間らしさを追い求めてしまうから
・常人に向けて行動できるようになると、再発はしないし、症状とも思わない。気分の波を「そんなもんだ」と理解できるようになる
・とにかく平和を重んじる
・みんなが気難しい顔をしてだまっている現場が苦手
・その場で自分が話の中心になっていないと落ち着かない

上記で自分に当てはまることがあれば、それは悩むことではない
躁鬱人の特徴なので、自分なりの操縦方法を見つけていく

神田橋語録より「特に自分らしさや自分の長所が失われたときが要注意です」
要注意な時は、鬱状態のとき
自分の長所なんてなに一つないと思ってしまうから

まずは、「なんか居心地悪いな」「面白くないな」と思ったら立ち上がるところから練習してみよう

【私の感想】
著者の浜口さんの思う「躁鬱人」は、すべての躁鬱人に当てはまるわけではないけれど、ちょっと私もその要素をもっている…と納得するところが多くあるのではないでしょうか。私はありました。
そして、今までそれは世間的には「よし」とされない考え方や行為だったとしても、それが躁鬱人なんだから変えようがないので、うまく操縦していきます!と思えれば、病状も安定してくるかもしれませんね。




 

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