瀬尾まいこさん オススメ作品

こんばんは

4連休明けてボケている人もいるかと思います。
私は今日、同じ作業を5時間近くやるという苦行を強いられてました(笑)
広告の計測まわりのセッティングなどセンシティブな仕事で神経使うと疲れますね。

さて、その気分転換というわけではないですが作家の瀬尾まいこさんの好きな作品を3つ程紹介しようと思います。


ただ、読んだのが結構前で記憶が若干曖昧という・・・覚えているかぎりさらっと書いていきます。

そして、バトンは渡された

こちらは昨年度の本屋大賞を受賞した作品。
本をあまり読まない人でも一度はこの表紙を見た事があるのではないのでしょうか。


あらすじ

主人公の森宮優子(17)には父親が三人、母親が二人いる。
十七年間で家族の形態は七回も変わった。ただ、不幸と感じた事はない。
ちょっと変わった家族の絆を描いたヒューマンストーリーです。

好きなポイント

なんといっても、普通に考えたらこの状況って不幸を想像しますね?
ぐれたり、性格がねじ曲がってもおかしくないと思いますが、主人公優子は強くて優しい女性に育ちました。
そうなったのも親達がそれぞれ違った形で優子に愛情を注いだからだと思います。

非行に走る若い人達の家庭環境を聞くと親から虐待を受けたりなど問題を抱えた結果、自己肯定力が低い人が多い。
子供の頃の家庭環境ってその人の人生を左右するので、生半可な気持ちでは人の親にはなれないですよね。

少し話はそれましたが、本作品で特に魅力的なキャラクターとして登場するのが思春期をともに過ごす母親の再婚者である森宮さん

森宮さんは東大卒のエリートサラリーマンで頭でっがちな変人という設定
ただ、筋を通った事を言うし優子を娘というより一人の人間としてきちんと尊重している。

また面白いのが二人の関係性が決して親子っぽくないところですね。
呼び名も「お父さん」とかではなく「森宮さん」と他人行儀(笑)
でも、物凄く良い関係性なんですよ。こういう父・娘の関係はこの作品を見て理想の親子の形だと思いました。

また、再婚する際に相手に子供がいるとなると考えるところがありますよね。
ただ、森宮さんは自分以外のもう一つの世界が開けるとそれを受け入れ喜びを感じている。
子供ができるというのはそういう事なんですよね。
確かに面倒くさい事も沢山あると思いますが、それ以上の喜びも沢山与えてくれる。
私自身子供いないですが…

森宮さんだけでなはく登場人物皆、愛おしいんです。
そういうふうに感じられるのは「ハチミツとクローバー」「3月のライオン」の羽海野チカさんと瀬尾まいこさんの作品だけですね。

読んだのが2年前くらいで全然魅力を伝えられないのが本当に歯がゆいです・・・

まあー四の五言わず読んでほしい作品です。
期待を裏切る事はないと思います。

戸村飯店 青春100連発

あらすじ

大阪の超庶民的中華料理店、戸村飯店の二人息子が主人公。
要領も見た目もいいクールな兄・ヘイスケと、ボケがうまく単純な弟・コウスケのそれぞれの視点から物語は描かれている。

好きなポイント

兄・弟のそれぞれの視点で描かれている所が面白いですね。
タイプは違えども実はお互いをもの凄い意識していて、弟は何でも卒なくこなし女性にもてる兄をひがみ兄は皆に可愛がられ、裏表がない弟がうらやましいという。

人はないものねだりで、十人十色の悩みを抱えるものです。ただ、飾らず自分らしく生きていく事が幸せなんだと感じさせれました。

男兄弟2人の人には凄い共感できる本だと思います。

傑作はまだ

あらすじ

引きこもりで人と接点を持とうとしない作家加賀野の元へ、生まれてから一度も会ったことのない25歳の息子・智が突然訪ねてきた事から、加賀野が成長していく姿を描いていく。

好きなポイント

主人公加賀野が、息子と接する事で年齢が50過ぎても人として成長していく過程に面白さを感じました。

作家という職業柄、人と交わらなくても仕事ができる為、人と接しないうちにどんどん人間関係が煩わしくなり一人の世界に閉じこもるようになった。
ただ、息子と出会い町内会の出し物に参加したりして、人との繋がりを持つ事の素晴らさを実感した。

誰かと近づけば、傷つく事も傷つけてしまうこともある。
自分のペースで進めないし相手の振る舞いに不安を抱くこともある。
自分がどう思われているのか気になり、それと同時に誰も俺なんてみてないという自意識に恥ずかしくなる。
自分の価値かどれ位なのか、そんな無意味な事ばかり考えて劣等感に苛まれる。

一人で過ごしていればストレスも嫌らしい感情も生まれない。
綺麗で穏やかだ。しかし、嬉しい気持ちになることは一人では起きない。

作中に主人公加賀野が感じた事で深く共感した。
人と接する事は面倒なことだが、その分喜びや楽しみもより増えていくのではないかと思う。

瀬尾まいこさんの作品は人と人との繋がりの大切さを教えてくれる作品が多いので、ハートフルな作品が好きな方には是非オススメします。

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