レプリカたちの夜 一條次郎
レプリカたちの夜を読み終わったのだが、これはなんというか、冒頭にミステリー要素がお出しされて「お!これからどうなっていくのか」と心を掴まれたと思ったら、実際に作者に捕まれたのは襟首だった。
掴まれた勢いそのまま作者に放り投げられた世界は、複雑で文化的で哲学的でファンタジックでダークで突拍子もなくカオスで日常的でもあるけれど、やっぱり私の知ってる日常からはかけ離れた世界で、めちゃくちゃに荒波に揉まれて、そして気づいたら柔らかい地面の上に不時着してる、って感じだった。
ちなみに不時着した地点がどこなのかはわからない。
何言ってるのか自分でもよくわからないけれど、要するにこの小説はよくわからなかった。読了後も濃厚なレプリカたちの世界を感じる。
かけ離れていたはずなのに、すぐそこに息づいている感じがちょっと不気味で新鮮。
この本は読み終わった疾走感のままに感想書き殴りたかった。考えることもできるのかもしれないけど、それは似合わない。勢いが似合うストーリーだと思ったので。
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