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短歌五首

始発駅
朝の車内でほっとする
いつもの席のいつもの顔に

あの角をはじめて曲がり
ささやかな冒険しつつ
会社に向かう

「たおやめ」の語義を教える
二年目のイケイケ女子が
新人男子に

あのころのパソコン憎し
保存せぬ時に限って
強制終了

美しい夜のビル街
父さんが
一所懸命がんばっている


あの人の言葉
実相に観入して自然・自己一元の生を写す。これが歌の上の写生で、写生は決して単なる記述などではない。
斎藤茂吉(歌人・精神科医)
 

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