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短歌一首 ~ 新幹線

やわらかな響きの名でも
本当はとっても強い
「のぞみ」という君
 

 1964年に開業した東海道新幹線の「ひかり」「こだま」の列車愛称は、国民への公募によって決まったんですってね。「ひかり」の投票が第1位で、以下「はやぶさ」「いなづま」「はやて」と続き、「こだま」は第10位だったそうです。こうした公募では、投票結果の順位どおりに決まらないケースはままありますが、なぜ10位の「こだま」が採用されたのでしょうか。

 それは、光速を意味する「ひかり」に対し、音速を意味する「こだま」を対比させたいという意図からだったそうです。つまり先に決定した「ひかり」との抱き合わせで考えて決められた名称ということ。なるほどです。配慮が利いた、めちゃくちゃ分かりやすい名づけだったと感心させられます。

 ところで、このあと1992年に「ひかり」よりさらにスピードアップされた列車が導入されることになったときは、どのような配慮がなされたのでしょうか。「ひかり」より速いものは世の中にありませんからね。仕方ないので、抽象的な言葉から選ぶことになり、候補にあがっていた「希望」を大和言葉に言い換えて「のぞみ」と決まったそうです。

 まーそれぞれにいろんな経緯があるもんですが、初めて「のぞみ」の名称を目にしたとき、あーいいなーって思いましたね。女の子の名前にもあるような、とても優しい響きながら、実はめちゃくちゃ強くて速い。素敵でカッコいいですよね。
 

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