「定時で帰るコツ」を心の中のイタリア人に相談する
「レオナルド、定時で帰るコツはなんだと思う?」
「定時で帰るコツ??
(少し驚いたような、何を言ってるんだ?というような、不思議そうな表情のレオナルド。)
んーーーーーー。
まぁ、とりあえずエスプレッソ淹れたから飲みなよ。」
(そう言いながら、自分の分とエバの分のエスプレッソのカップを持って来て、エバの前に座り、片方をエバに差し出すレオナルド)
「で、定時で帰るコツだけど、
僕にはその質問の意味がよくわからないんだけど、コツもなにも、定時で帰りたいなら、定時で帰ればいいんじゃないか?」
(エスプレッソを一口飲んで、一体何を言っているんだ?という雰囲気で少し笑いながら話し出すレオナルド)
「いや、それはそうなんだけどさ。
例えば、自分の仕事が終わっていても、まだみんな残っているのに1人だけ定時で帰ったら、
こいつ仕事してないな、と思われたり、もっと仕事できそうだから新しい仕事を与えよう、ってことで仕事を増やされたら嫌じゃないか。
だから、なんとなくみんなが帰り出す頃まで今日やらなくてもいい仕事をやったりしてしまうんだ。
まぁもちろん、そもそも自分の仕事が終わらなくて定時で帰れなかったり、上司から突然頼まれごとをして定時で帰れなくなったりする時もあるよ。
だから、定時で帰るコツを聞きたいと思ったってことさ。」
(ふむふむなるほど、と熱心に江場の話を聞くレオナルド)
「なるほど。
まぁまず僕なら、自分のやるべきことが終わっているなら、他の人にどう思われるかなんて考える間も無く帰る。
余暇の時間を何よりも大切にしているからね。
そして、やるべきことが終わっていなかったとしても、自分が帰りたいなら仕事は明日にして帰る。
なぜなら、余暇の時間を何よりも大切にしているからさ!
つまり、定時で帰るってことさ!!
hahahahahahahaha!!
(爆笑のレオナルド)
だってそうだろ?
自分の仕事が終わっていて定時で帰ったとして、あいつは仕事をしていない、なんて言うのは向こうが間違ってるじゃないか。
定時で帰ったからという理由だけで新しい仕事を与えられるとするなら、それは不当だとしっかり主張すべきだよ。
例えばエバと、君の同僚が同じだけ仕事を与えられて、エバの方が早く終えて早く帰ることができるのは当たり前のことだろう?
それを、エバは仕事をしていない、とか、新しい仕事を与える、なんて同じ賃金で働いているとしたら不公平だよ。
それは君のボスが間違っている。
ちがうかい??」
(それは間違っている、という気持ちが昂まり、少し熱くなって一気に喋り切ったレオナルド)
「まぁ、それはそうなんだけど、それがなかなか言えないから困っているんだよなあ。」
「だったら、君が抱えている問題は、定時で帰れないことではなくて、不当なことに立ち向かう勇気がないことじゃないか?
自分が間違っていないと思えるなら、後ろめたい気持ちがないなら、堂々と主張して、勇気を持って闘うべきだよ。
それは君の権利だ!」
(かなりヒートアップしている様子のレオナルド)
本当にその通りなんだよ、レオナルド。
定時に速攻で帰れないのは表面的なことであって、問題の本質は僕の勇気が足りないことなんだよ。
僕に勇気があれば、定時で帰って仕事後の時間を有意義に過ごし、
お前は定時で帰っているから、という理由で仕事を増やすと言われてもそれを断ることができるんだ。
定時で帰ることは日常の些細なことだけど、
勇気を振り絞って、「おつかれっしたぁ〜」と
立ち上がる勇気が必要なんだよな。
そう思いながら、
回転寿司チェーンで一皿300円の季節限定のお寿司を取るか悩み、勇気が足りずに見送る、まだまだ未熟な僕、江場。
※ちなみに僕はイタリアに行ったことないし、イタリア人の友人もいないけど、「小さな村の物語 イタリア🇮🇹」というテレビ番組が大好きで、イタリア人をとてもリスペクトしています。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました!
江場