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弱さを見せあえる組織を目指すことが個人とチーム発達への道

なぜ弱さを見せあえる組織が強いのか。

科学的な組織理論を学びたくて本書を手に取った。大きく三つの組織の事例を中心に自分の中の認識をアップデートしながらチームとやりとりする様が垣間見える。


組織と個人の両方の潜在能力を開花させる方法

発達指向型組織ことDDO。DDOとは翻訳者のサイトより、発達指向型組織(Deliberately Developmental Organization。略して、DDO)としている。

成人発達理論に根差し、自己変革と成果創出の高度な両立を可能にする発達指向型組織とは?

発達指向型組織(Deliberately Developmental Organization。略して、DDO)とは、ロバート・キーガン教授(ハーバード大学教育大学院)、リサ・ラスコウレイヒーが提唱する成人発達理論に根差した組織文化を持つ企業形態です。

とある。

成長ではなく発達。これが本書のキーワード

意識的に成長じゃなくて発達という言葉を用いて人間としての発達を後押しする狙いの組織論。科学的な組織デザインを目指して数字を出しているので参考にできるところがある。

結果でなく行動で評価するにはプロセスを見るしかなく、アウトプットでしか見えないという視点が大事だ。

事例だとサイボウズの以下のインタビューが興味深い。

こちらでは実践としての発達の三段階が解説されている。大人の成長こと発達が研究対象としてあることに気づけると本書は読みやすい。なお、サイボウズは多様性を重視し、成長ではなくゴールに視点を寄せているようだ。

人間の発達を意識的に後押しする文化から入る戦略

本書では弱さを見せないことを 闘争・逃走 と定義。

この弱さがあることで生じるコストを省くことも目的としている。弱さゆえにチャレンジできないとか、目標を課題に見積もるとか、実直さに削ぐわぬ行動に出ることをできるだけ避けたい狙いもあるのだろう。

弱さを見せることを恥と思ったり、心理的に負担に感じると言いたいことが言えないということは往々にしてある。そんな状態からの克服を本書ではケーススタディを元に具体的に解説。

例えば、リーダーが次のリーダーを育てるフォロワーリーダーシップ。自分の弱点を知るためのブートキャンプの体験。これらを通じて発達とは何か?に迫る。キャリアじゃなくて人間の発達が対象だ。

知性と常識のアップデート

大人の発達がテーマ。ポイントは内面を一旦外に出すという行為である。これは、暗黙知・形式知の関係であるSECIモデルに通ずるところがあるだろう。

心理的安全性が確保できていれば対応できるテーマだ。いや、前提条件かもしれない。フィードバックを受けることで客観視ができる。弱点を克服していく組織文化なんだなというのが本書を読んだ感想だ。

結果ではなくプロセスを見るには行動に注目

行動という単位にして外に出さないと他者からも自分からも見えない。

その行動自体を外に出すことができれば、内面や弱点と紐づけることが可能だ。その内側を刺激するのではなく、一旦自分と離れた行動(外部)を外から自分自身と他者の視点で見れば問題解決アプローチになりそうだ。

それが発達への道と見る。

ようするに、固定概念の克服なんだと思えた。それができている組織かい?と問われたら内省を促す仕組みづくりをしているので、できているんじゃないかなといろんなチームをみながら思うし支援したいと思う立場である。

プロセスとなる行動。人間からうまいこと分離して注目して善悪ではなく、その行動そのものが何を意味するかを分析して解釈する。その繰り返しを習慣に落とし込める組織作りは継続したい。

なぜ人と組織は変われないのか

なお、関連書籍として同著者のなぜ人と組織は変われないのかもオススメ。

こちらは五年前に読んだが、その時の感想としては人は変われる成長できる。ということ。

目標に対する阻害を自己分析するのに免疫マップを用いている。それが全編にわたって事例となる点は少しくどいがこの手の本のあるあるなのつもりで読み進めるとよい。

立てた目標が達成できなかったりリバウンドして悪化するのは自己に潜む裏の目標や固定概念があるから。その齟齬を発見して次の認識のステップを歩むことが大事と知る。これがさきほどの弱さの認識につながる

人を変える前に組織を変える前にまずは自分を変える。そして、さきほどの組織デザインの観点から組織から変えるアプローチとあわせて参考にすると発達を実感できるチームに繋がるだろう。

私はなにより実践を意識して本を読む。実践できなければ、知識に止まるので今できることをしていきたい。

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