グルグルと、なかなか寝付けない
自分を変えてまで誰かに気に入られる必要はあるのか。
それが私の信念なのだけれど、関わる人間には好かれた方が得だという気持ちと大いに矛盾している。みんなから好かれるあの子になりたい。可愛くて唯一無二で素敵でエレガントなあの子になりたい。
好かれたいと思い、一日中自分を偽って誰かと遊んだ日の疲労感は尋常じゃない。振り返って自分の言動に気持ち悪くなる。自分を貫き通せない不甲斐無さや、自分の全てを曝け出せなかった悔しさに、今後一切の人とのコミュニケーションを辞めたくなる。
そもそも、気に入る気に入らないを判断する相手も、好かれたいと思い努力する私も誰も間違ってはいなくて、これをグルグルと考えてしまうのが馬鹿げている。そんなことは百も承知で今日もカフェインの取りすぎで眠れない夜を溶かしている。
あの子にも眠れない夜はあるのか。きっとあるだろう。そんな時は重い体を起こして、わざわざ、深夜でも、湯船にお湯を溜めて身体を温めて、ちょっと泣いて、それから疲れて寝て欲しい。次の日の朝瞼はちょっと重いけど心は晴れ晴れしていて欲しい。ちょっと余裕ができて先週末に施したネイルがまだもっていることに目を向けて欲しい。キラキラした指先に何度も心ときめいてほしい。そんなことを幸せだと思って欲しい。今日も頑張ろうと背筋を伸ばして働いて欲しい。
誰かに頼らずとも乗り越えた夜を誇らしく思って欲しい。
そして、頼れる誰かが現れた時にそれを心の底から幸せだと思ってまた泣いてほしい。
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