さえ

片隅で覚えていて

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女、びたびたに浸る音楽を聴き、喋る

女、びたびたに浸る音楽を聴き、喋る 今までにないくらい優しくされた後、突然音信不通になった男の子を思い出しながら聴きます。穏やかな雰囲気でいつも眠そうにする関西弁の彼は、久しぶりにやってきたどタイプでした。脳内で1人勝手に幸せな未来を繰り広げてしまった人です。 “儚い想いがそこにはあったのに、確かにそこにあったのに熱に溶けてしまった” “君とならば覚束無い明日のことも愛することができたのに” どの歌詞を切り取っても思い出されるのは一夏の想い出ですね…。私の大事な記憶をそのま

    • グルグルと、なかなか寝付けない

      自分を変えてまで誰かに気に入られる必要はあるのか。 それが私の信念なのだけれど、関わる人間には好かれた方が得だという気持ちと大いに矛盾している。みんなから好かれるあの子になりたい。可愛くて唯一無二で素敵でエレガントなあの子になりたい。 好かれたいと思い、一日中自分を偽って誰かと遊んだ日の疲労感は尋常じゃない。振り返って自分の言動に気持ち悪くなる。自分を貫き通せない不甲斐無さや、自分の全てを曝け出せなかった悔しさに、今後一切の人とのコミュニケーションを辞めたくなる。 そも

      • 休日

        来週のいとこの結婚式に必要なカバンを選びに、新宿へ向かった。ルミネエストは相変わらず、私とは別の世界を生きているような女の子ばかりで、小さくなりながらコソコソと歩く。店員さんに話しかけられないように倍速で商品をチェックし、ここではないと思ったらすぐ店を出る、というのをくりかえしたが、結局1番最初に見たものを買った。 滞在時間数十分。移動距離の方が長い買い物を終えて、このままどこかでご飯を食べようか、家で過ごすか、ぐるぐると考えて、何度か行った最寄りの喫茶店で本を読むことにした

        • 若さの上で胡座をかく

          最近、道ゆく自分より年上の人の、若い頃を想像してしまう。 この人が自分と同じ歳の時はどんな感じだったのだろう、どんな仕事をして、何を楽しみ、何を人生の生きがいにしていたのだろう、と一瞬通り過ぎてしまう人のことについて深く探ってしまう。 おそらく、人生の中で若さを堪能している自分のこの余裕さは、今後の人生に響くのか響かないのか、そして、今すれ違った美しいマダムのようになるには、この年齢から何をしておけばいいのか、それを見つけたがっているのだと思う。 若ければ何だって許される、

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        女、びたびたに浸る音楽を聴き、喋る

          過度な夏のロマンチシズム

          私は夏になるとキモロマンチシズムが芽生えるので、毎夏の一瞬一瞬に自分の感受性全てを捧げている。 部屋でYouTubeを見ているときに蝉の声が聞こえれば動画を止めて、ミンミンのワンセクションが終わるまで聴き入るし、正面からドライヤーの熱風を浴びせられているような暑さの中、ほんの一瞬涼しい風が吹けば何かスピ的なものを感じてしまうし、わざとクーラーをつけずに部屋に通り抜ける風を揺れるカーテンや部屋のポスターなんかで感じてしまうし、散歩中の犬にも笑いかける。 とにかく気持ち悪いのだが

          過度な夏のロマンチシズム

          夏の暑さに溶けゆく、8月はもう直ぐ

          相変わらずな日々を過ごしている。 一晩中部屋にこもった暑さと、目を開けた瞬間勢いよく流れてくる考え事で一気に目覚める。 朝型人間ではあるが、一頻りイライラと自己嫌悪に陥った後、あらゆるスイッチを入れてぶち上げていく。設定温度22℃の涼しい風と体を揺らして踊れる音楽がないと死んでしまいそうになる夏である。ただこの部屋で過ごす2度目の夏、死んだって、愛おしいほど、最高だ。 漠然とした不安を感じて、ほぼ勢いで辞めた会社。結局転職は成功といっても良さそうで新しい世界で一から築き上げ

          夏の暑さに溶けゆく、8月はもう直ぐ

          脱皮

          最近自分の中に溢れる感情をどうも文字に残せなかった。 自分自身の気持ちもうまくまとめられず、何が楽しいのか、 誰が好きなのか、どこに向かうのか、トキメキが見えない。 といってもおそらく、なんとなく、いや明確に、原因はわかっている。 来月で退職することにした。 新卒で入社し、3年間居心地よく働いてきたこの環境にほんの少しだけ違和感を感じるようになってきたのはここ数ヶ月のこと。何かが自分を追い越してしまいそうで、でもこのままここにいても追い越せなさそうで。それは成長したいという

          春に浮かれて

          春に浮かれて、近所の川沿いを散歩していた男の子とトイプードルに声をかけた。犬の名前はローロ。小学生の彼はまだ春休み中で今日は塾がお休みと言っていた。全身黒の女に声をかけられて、写真撮ってもいい?と言われて、不安そうな彼をときほぐしたくお話ししている最中も元気なローロは私の左腕と戯れている。 「座ってくれるかな?」私がお願いするとあんなに元気だったローロは男の子の言うことを聞き、ちょこんと座った。シャッターチャンス。 あまり長くいて困らせても申し訳ないので、お礼を言って立ち去っ

          春に浮かれて

          お風呂だけが

          まだまだ寒い最近。 温かいというより少々熱めのお湯に浸かりながら本を読むのがマイブームである。給湯器のスイッチがついていない我が家は、追い焚きができないのでお風呂を溜めるときは熱めぐらいがちょうどいい。ただ熱めと言って調子に乗るととんでもないことになる。足首まで入れて最初は無感覚、2、3秒後急激な熱さが襲ってくる。急いで足を引き上げると一瞬で赤い靴下を履いたような状態になっている。一糸纏わぬ姿の人間がありえない速さで足を引き抜く光景は自分でも笑ってしまうほど間抜けである。いく

          お風呂だけが

          最近悲しくて辛くて涙するより誰かが私の気持ちを表現してくれることに涙を流すことが圧倒的に増えた 同じ温度感で繋がり、赤の他人でも画面やスクリーンの先からでも、1人じゃないことを教えてくれる ずっと撫でて欲しかったところに触れてくれたような とにかく今日観た映画が最高だったって話…

          最近悲しくて辛くて涙するより誰かが私の気持ちを表現してくれることに涙を流すことが圧倒的に増えた 同じ温度感で繋がり、赤の他人でも画面やスクリーンの先からでも、1人じゃないことを教えてくれる ずっと撫でて欲しかったところに触れてくれたような とにかく今日観た映画が最高だったって話…

          サイケデリックには程遠く

          フリスクをレオンのゲイリーオールドマンみたいに噛み砕くネタが通じる人なんかがいいな 映画に興味のないあの子には伝わらないけど あの子と同じ120粒入りのフリスク1粒を噛み砕き 寝不足のあたまを叩き起こしている 古の脳内メーカーで言えば、あの子と眠いが半々でギチギチだ 正直、小さなフリスクをまとめて2、3粒食べるくらいだから 大粒を買った方がいいのはわかっている ただパッケージが好きだと言ったあの子と同じように この白地に青いトゲトゲの「FRISK」のデザインの方が好きな

          サイケデリックには程遠く

          圧倒的バカ

          推しバンドのことを考えていたら 仕事道具を丸ごと忘れた _____________________ いつもより遠回りする行き方で電車に揺られる そうして、聴き慣れた推しバンドの曲を流す あの人の曲っぽさを感じるな インタビュー記事を漁ろう やはりルーツはあの人みたい なるほど ここからイメージを この曲は私の知らない往年ロックスターがルーツらしい 聴いてみよう 確かに似ている! というかまんま 耳は爆音で塞ぎ、目はインタビュー記事に釘付けになりながら、慣れたすぎた

          圧倒的バカ

          2/28 生活

          昨夜は週の序盤にもかかわらず、まさに疲労困憊といった具合で帰り道は数分に1回、大欠伸をかましながらズルズルと歩いた。それでもお腹は空いているし、何よりガッツリ食べたかった。思い浮かべたのは肉。そうだ肉を食べよう。フラフラとスーパーに寄って買ったのは味付きの牛ハラミ。こんなワイルドは買い物は初めて。真っ赤な牛ハラミがジュウジュウと音を立てて色を変えていく様を想像しながら帰った。 しかし、家に着いた頃には焼く気力もなく牛ハラミは冷凍庫行きとなり、インスタントラーメンと冷凍食品とい

          2/28 生活

          どんと来いよ、人生。

          少々頑張りすぎてしまった次の日の朝。 自分の体を労わりたかったのか、 食べれなかった夜ご飯を取り戻したかったのか、 どうもおでんが食べたくて仕方なかった。 コンビニのおでんが一番。 始業前に会社でしれっとおでんを食べていたら、出社してきた人に「朝からおでん…」と言われた。 精神をかなり削っていたことに気づいた。 ふと今週末の友達との楽しみを想像したら、脳内がハピネスであふれてなぜだかウルウルしてしまった。 精神を削らない人と関わるのがいかに心地よく幸せで、昨日精神を削ってま

          どんと来いよ、人生。

          ハートウォーミングな初サニーデイサービス

          苦手なレポですが、あまりにも最高だったので頑張ってみます。記憶が薄れぬうちに。 人生初、サニーデイサービスを見てきました。 終始これが4500円で本当にいいのかと、破格の値段に恐れ入っていた。 とにかく最高のツアーファイナルにお邪魔させていただいた。 膨大な曲数を生み出した彼らのライブに行くために、すでに聴いていた曲を含め過去のセトリをチェックしながら少しずつ聴いていたので、割と一緒に盛り上がることができた。ただ、初めて聴いた曲も全て耳馴染みがよく、これもいいあれもいい

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          深く潜り音楽を愛す

          ディスクユニオンが好きです。 姉と一緒に住んでいる時、近くにレコード屋さんあったよ、と言われてから通うようになり、引っ越してからもそこの店舗が一番お気に入りなのでちょくちょく通っている。 品揃えは多い訳ではないのだがその心地よい狭さと店構えがたまらない。初めて行く時は入るのを躊躇うようなディープな入口だった。レトロな階段、そこに貼られたファンキーなステッカーがなんとも自分好み。そこまでサブカル色の強い街ではないのに、そこだけひっそりとカルチャーの香りを出していてその控えめな

          深く潜り音楽を愛す