人生100年時代 ーより良く生きるために変えるべき3つの考え方
ブルーツ・リーです。
人生100年時代。現代に生きる私たちは、昔の人よりも遥かに長生きする可能性が高まっているようです。
そんな100年スパンの人生をより充実に生きるための具体策が著書『 LIFE SHIFT (ライフ・シフト) 2 ―100年時代の行動戦略』に書かれています。
前作『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)―100年時代の人生戦略 』の続編で、「経済学の専門家」と「心理学の専門家」が知見を合わせて、これからの世の中の変化に対して、世界中の人々が抱える不安を払拭してくれる内容になっています。
とくに本書には架空の日本人キャラクターが扱われており、世界的にみても私たち日本人の人生が激変することが予想されています。
そんな本書の大きなテーマが、「テクノロジーの進化」と「長寿化」。
これらによって世の中がどのように変化し、私たちの人生にどんな選択肢が生まれるのか。
とくにテクノロジーの進化と長寿化の進展によって、私たちの人生はこれまでの「教育」「仕事」「引退」の「3ステージ」から、「マルチステージ」へと変わっていきます。
この100年時代のマルチステージをより良い人生にしていくためには、今、あなたが何歳であろうと、これまでの考え方を変えていく必要があります。
これからマルチステージの人生に向けて、私たちが変えるべき「3つの考え方」を本書からピックアップして紹介します。
① 年齢に対する考え方を変える
人生が長期化になると、「年齢」というものは全く当てになりません。
たとえば「サザエさん」は1950年代が舞台ですが、ここで登場する波平さんは54歳。 いまの54歳を思い浮かべて、波平さんのような人は思い浮かばないはずです。
現代の50代は昔のイメージとは違い、若々しくみられます。あのキムタクも、今年で50歳ですからね…!
大切なことは、従来の年齢という数字だけを見て、自分の人生のフェーズを判断してはいけないということです。
同じ40代、50代でも、人によって年の取り方が違うということ。遺伝的要素だけでなく、自分がとっている行動によって変わるということです。
長寿化で未来の時間が延びるのであれば、福利の効果を人生に取り入れて、資産運用だけでなく、スキルや健康、人間関係にも投資するべきと本書で語られています。
いまの自分のとる行動が、未来に影響していくことを忘れないようにしましょう。
② 時間に対する考え方を変える
人は近い将来のことを重視し、遠くの時間を軽視する傾向があります。これを行動経済学では「現在バイアス」と呼びます。
人生が100年の長期に及ぶことを考えると、従来のように若いうちに楽しいことを全てやりきろう、という考えは意味をなさなくなってきます。
勉強も学生時代だけではなく、社会に出てから勉強をしなおしたり、あるいは一年ゆっくり休んで旅行を楽しんだり、次の職への移行期間を過ごしたりと、マルチステージの人生ではとくにこのような時間の使い方が重要になります。
また、仕事が忙しいときは、子供と過ごすよりも、つい仕事を優先してしまいがちです。
しかし、子供と週末を一緒に過ごす時間は限られていますが、週末に仕事をする時間は増やすことができます。つまり、子供と一緒にいる時間の方が明らかに価値が高いと言えるでしょう。
100年時代は、今にしかできないことに優先しながらも、これまでの人生の3ステージにとらわれない、マルチステージでの時間の過ごし方を考えていきましょう。
③ 仕事に対する考え方を変える
ある調査の推計によると、2030年までに、7500万~3億7500万人が職業を変えざるをえなくなるようです。これは、世界のすべての働き手の14%に該当します。
新しいテクノロジーが生まれると、それだけ新しい仕事が生まれると考える人もいますが、ノーベル経済学賞を受賞した学者によると、テクノロジーの進歩が生活水準を向上させるまでには「数世代」の期間が必要だと言います。
つまり、テクノロジーの進歩は、職を変えざるを得ない14%だけでなく、残りの86%の人にも影響を与える可能性が高いということです。
仕事については、職(ジョブ)と業務(タスク)を分けて考えることが大事です。
職(ジョブ)は、なくならなかったとしても、職を構成している業務(タスク)の一部がAI化・自動化されることで、職として求められる能力が変わっていく可能性があるということです。
全体の職の60%には、業務の3分の1以上を自動化しやすいものが含まれていると言います。
これからの職を考えていくためには、自動化を妨げる4つの要因を考える必要があります。
1、非定型的な業務が占める割合が大きいこと
2、付加価値の高い業務に移行できる可能性が十分あること
3、その職の自動化を妨げるような環境があること
4、自動化が費用対効果の面で得策ではないこと
しかし、これらのことが満たされても、10年後には仕事のあり方自体が変わっている可能性も高いため、確実ではありません。
これらをふまえて、私たちは「新しい働き方」を模索していく必要があります。
現在「仕事」のイメージは、安定したフルタイムの職で働くということですが、これからキャリアの流動性が高まっていくと、フルタイム以外で働くことが増えてきます。
実際に本書に登場する人物のなかには、フリーランスで「ギグ・エコノミー」という形で働いています。
雇われない働き方をしている約70%の人たちは、会社に行かず、好きな時に好きな仕事をすることに満足しており、フルタイムの会社員よりも仕事への満足度は高い傾向になっているようです。
現代では、自分が「フリーエージェント型」や「カジュアル型」で働きたいと思えば、十分に満足度の高い仕事ができる可能性があります。
「ギグ・エコノミー」についてはこれからの主流な働き方になるだろうと予測され、年々、世界中で取り組む人たちが増えています。
これからの働き方として、「ギグ・エコノミー」や「フリーエージェント型」という働き方を視野に入れていきましょう。
さいごに
本書で語られている人生観として、私たちは本当に大切なものを重んじて生きるために、バランスの取れた生き方を実践できるようにすべきと言っています。
自分のように40代にもなってくると、仕事に追われるだけでなく、子供や親と一緒に過ごす時間も確保しなくてはなりません。
そして、健康、資金、スキル、生き甲斐、人間関係を維持するために、ますます個人の責任が大きくなり、自分自身で投資をしていかなくてはなりません。
そのためには、まずは私たちがマルチステージに合わせて、
① 年齢に対する考え方
② 時間に対する考え方
③ 仕事に対する考え方
を変えていく必要があります。
さいごに、本書から未来に向けての5つのまとめを引用します。
人生のマルチステージをより良く生きて、
人生好転させましょう!