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本でもなんでも音楽でも物質そのものが放つ何かを感じたい
全ての人に朗報です。
本は読まなくても持ってるだけでOK
水野しず著書「親切人間論」に書いてあったコレ。
本は持ってるだけでOK
何なら手に取った段階で読書は始まっているようなもの
極端な話、本はそこにあるだけで場に影響を及ぼしているところがあります。
(中略)
だって、出版・印刷行為ってヤバイから。思念を形にして広く人々へ公布する目的で物質がこの世に現れているので、もう実態は意思ですよ。
これは、わかる!
と、深く納得しました。
"本はそこにあるだけで場に影響を及ぼしている"
それ!!
私は何年か前に、時代と共にやってきたミニマリストだか効率主義なりに憧れて「これからはkindleで本を読むぞ!」と意気込んで、しばらくはkindleを使っていたのですが、
今や充電しないとkindleの電源が入らないぐらい、すっかり紙に戻ってしまいました。
その理由がわかった気がします。
私はいつも持ち歩いている本があります。
「ピカソの言葉」
別にこの本をちょっとした空き時間に読み直そう、とか、
ピカソの言葉を常に忘れないようにするぞ、とか
そういう目的ではないんです。
目的はないのです。
ただ、持っていたいんです。
なんというか、持ってるだけで、
この本がそばにあるだけで、
ピカソから何かを得ているような、
ピカソという人の生き方や人生観の1/100の要素でも摂取できているんじゃないか…(できてない)
って気になってくるんです。
そして続いても非常にメジャーどころにはなりますが、
岡本太郎「自分の中に毒を持て」
この名著を常に玄関先に置いてあります。
否応が無しに、出かける際も帰宅した際も「自分の中に毒を持て」という文字が目に飛び込んできます。
毎朝、毎夜、「自分の中に毒を持て」の圧にさらされています。
これはもう凄い圧ですよ。岡本太郎からの。あまりに強い。
本はそこにあるだけで物質として場に影響を及ぼす。
これは音楽にも言えるんじゃないか?と思ったのですが、
なんとなくかっこいいからという理由でレコードを持っている人いませんか?
私です。しかも、レコードプレイヤーを持っていないのに、レコードを所有してしまうという謎の愚行をしています。
でもいいんです。部屋に置いてあるだけでいい。
そのジャケットが、その盤面が、その存在が、
私とその空間に“なんらかの何か”を放っているのを感じるんです。
これはもう、レコードに針を落とさなくても、じゅうぶんにその音楽を楽しんでいると言っていいんじゃないのか。
ジャケットを見て「なんこれ、このかっこいいジャケ!?」と興奮したり、
ブックレットの歌詞やクレジットを熱心に読んじゃったり、
紙の本を手に取った時の感触や、ページをめくっている時の感覚とか、
もう全部が素敵体験としかいいようがないやん。
と思うんです。
本でも音楽でも、とりあえずピンときたら物質として所有してみる。
それって実はもうその時点で、払った対価の何倍もの価値があるんじゃないかって、ちょっと思ったんです。