
夢見の森|短歌
短歌 夢見の森
この咎を
沈めましょう と
君の声
夢見の森の
泉の中へ
道しるべ
残してきたのと指す小石
白々つづく夜露にも似て
標なら
十二方位の夜霧だと(※)
蒼き月影
諭すかのごと
咎と云う
君の言葉と
世の中の
理非をそのまま
夜に葬る
道を説く
君の睫毛の
先を食む
夜露は苦く 甘く馨れり
小夜月を
映して抱く
泉には
二枝の薔薇を
身代わりにして
(※)十二方位:1周分、全方位。"時"の概念もしのばせています。
もしご興味があれば下の方まで。読まなくても大丈夫。ここまでで充分です💕
読み方はいろいろあれど...
いつもの通り、書いたあとで何日も、どういう背景なんだろう? と考えておりました。
道ならぬ恋とか、はっきりとした罪を犯した、とかいうわけではないように思うのです。(その線も残しておいてよいのですが。)
もう少し根源的な"咎"なのかも...?
あとは、みなさまの推理におまかせします。
十二方位について
アーシュラ・K・ル=グウィンの短編集
『風の十二方位』
The Wind's Twelve Quarters
から採りました。
不思議な言葉です。quarterは1/4のことだから、12×1/4=3。
"twelve quarters" を検索すると、Google先生が淀みなく "three" と答えてくださいます(笑)
quarter... 辞書によれば他にも、方位(東西南北)、中間方位(北東...など)の意味もありました。
さらに調べていくと。
12方位は、アナログ時計の文字盤に見立てたクロックポジションに使われています。(2時の方向に進む...など)
また江戸時代の定時法が「丑の刻」など、24時間(360°)を十二支で表していたりも。
これらから、時の概念も含めて捉えることもできそうです。ル=グウィンの真意も、そのあたりにあったのかしら...🤔❓️
『風の十二方位』
The Wind's Twelve Quarters
通読どころか、ごく短い一編「オメラスから歩み去る人々」(ちょっと有名らしい)を読んだだけなのですが、他は読めないほどうちのめされました💦 本を読むってなんとリスキーなのかと思いつつ。
非常に良心的だったり、正義感の強い人は読まない方がいいかもしれないと断った上で、作品として非常に優れていて強烈なので、ひそかにおすすめです。でも、恨まないでね(^^;
"倫理"という言葉が浅はかに思えてくるような、不条理で不気味な霧につつまれた世界観。
《十二方位》を組み込むことで、かすかにリンクさせてみました。
...という説明を読まないと察しようがないところが、大いなる問題なのですが(^^ゞ
なお、『風の十二方位』を検索すると、BTSやマイケル・サンデル氏が出てきます。
長くなってごめんなさいm(_ _)m
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