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『終末のフール』伊坂幸太郎
「じたばたして、足掻いて、もがいて。生き残るのってそういうもんだよ、きっとさ」
このご時世に、終末を舞台にした本を読んだ。
『終末のフール』 伊坂幸太郎著
8年後に小惑星が地球に消滅することが判明し、それによって人類が絶滅してしまうのが確実になるが、それでも生きていく人たちのお話。
色んな角度から、色んな人たちが描かれている。
読んでからのお楽しみにしてほしいからあまり言えないけど、個人的には2人の夫婦の話が好き。
優柔不断な彼と、それをわかりきっているさばさばした彼女の間に不妊治療をしてもできなかったのに子どもができる。
数年後にはみんなが死ぬというのに子どもを産むべきか否かと優柔不断の彼は迷うが、、、
伊坂幸太郎は本当に文章が上手いなあと思う。いつもはミステリー作品が多いけど、今回はひたすら死を前にする人々の生き方を描いている。
世の中、理不尽なことが多いけど、「8年後に小惑星が落ちてきて死ぬ」というのは究極に理不尽なことだと思う。
でも実際に何万年も前に恐竜が同じ方法で絶滅してるから妙にリアル。
絶望の中でやけになる人も多いけど、やっぱり人は本質的にやりたいこと・好きなこと・幸せだと思うことを続けるんだなあと。
自分は8年後に死ぬとわかったら、どうするんだろう。31歳かあ。。。