現実の世界を大きく捨象する9w1
久しぶりのエニアグラム記事。
「性格のタイプ: 自己発見のためのエニアグラム」はエニアグラムを学ぶ中で定番の本です。その中に通常の1のウイングを持つタイプ9(9w1)の説明の中でこのようなものがあります。
捨象?どういう意味なんだろう。[すてぞう]とでも読むのかなと思ったけれど、「しゃしょう」と読むらしい。意味は
なるほど、つまり9w1は何かをイメージする際に「自分の理想主義的観念」以外の「現実の世界」を捨て去って「現実の世界」をとらえるということか。そもそもタイプ9って自分の世界をすごく大事そうにしているように見える。自分の世界と合致しないものは、本能で回避したり防衛してしまうのだろう。通常のレベルでは、自分が持っている世界観以外は受け付けませんよと。その結果
となるのか。通常思い浮かべるのうのうとして、なにをしても動かないときは動かないイメージのタイプ9と比べると積極的というかアクティブな性格がイメージされる。同じタイプでもいろいろな人がいるということだろう。
R5.9.10 追記
PDBでヴィーガンとか菜食主義とかヨガが9w1っぽいされているのは、言われてみれば確かにそうだなーと思ったりする。
さて、紹介した文の直前に
という風に書かれているがある。なおざりとおざなりは似ているけれど違う意味を持つ言葉。
「多くの場合、何の対応もしない」ていうのは、タイプ9っぽい。おざなりではなくなおざりとしたところに訳者の言葉に対するこだわりを感じる。「性格のタイプ: 自己発見のためのエニアグラム」について翻訳の揚げ足をとるような記事(個人的には補足だと思っている)を複数書いているが、この本で翻訳を担当された橋村令助さんはお会いしたことはないけれど、言葉をたくさん蓄えて、適切に使う技術を持った人なんだなと思わされた。