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マンガでわかる 災害の日本史 【読書感想文】 日本人の復興力を信じて

★★★★★
Amazonでレビューしたものです

歴史家・磯田道史氏がライフワークの1つとして研究を続けている日本の震災史を、体系的にビジュアルでまとめた本です。古文書に基づいて当時の人たちがどのように被災し、どのように復興を果たしたのかを伝えることで、写真や動画のない時代の災害を今に甦らせると同時に、今の私たちに役立つ教訓や防災対策につながるようにします。 
・地震、津波、噴火、台風、土砂崩れ、感染症、歴史的災害にまつわる古文書を、磯田道史が徹底解説!! 
・災害の専門家、河田惠昭が災害のしくみ、避難方法を解説。 
・数十年以内に起こる確率が高いと言われている、「首都直下地震」「南海トラフ巨大地震」に備えることができる。 
・災害とともに生きてきた、日本人の復興の知恵を知ることができる。 
「昔の災害はちょっとこわいけれども、見ておいた方がいい。私と一緒に『災害の日本史』の旅に出かけましょう。読んでおいたら命が助かるかもしれない、こんなマンガはそうはないですよ」磯田道史




1月1日の令和6年能登半島地震をうけて、昨日に引き続き災害の本です。

1.漫画パートと解説パートで読みやすい


漫画パートと文章の解説パートが章ごとに交互に書かれた形式で読みやすかったです。

漫画パートは、小学6年生の歴史好き男子のミチくんと幼なじみのマリちゃん、なぜか彼らの担任の先生頼母先生の3人が、上野に来て西郷隆盛像を見ていたところ地震が起きます。隆盛像の薩摩犬のツンが動き出し喋り出して、彼らをあちこちの時代にタイムスリップさせ、災害の歴史を実体験させる、という物語です。
その後の解説パートでは、漫画の内容に触れつつ、その章の災害の歴史や未来への備えについて解説されています。

章は、地震、津波、噴火、台風、土砂崩れ、感染症(コロナなど)の6つです。

地震の章では、直下型と海溝型の違いの解説があり、家屋から出られた場合や閉じ込められた場合の対応についても触れられています。
また、津波の章では、津波に飲まれた土佐藩士が、背負った娘を投げ捨てて母親を助けるという、現代からは信じられない衝撃の展開が。。。江戸時代の考えはわからないです。。。

2.災害の歴史、災害の国


解説パートでの災害の歴史の年表を見ると、本当に日本は色々な災害が多いなあ、災害の多い国に生まれちゃったなあ、とゲンナリします。

古くは平安などの昔から、繰り返し繰り返し繰り返し、地震だ津波だ噴火だ台風だ、、、その度に建物が壊され人が亡くなり、、
そして、その度に、悲しみを堪えて人々は復興し、悲劇を繰り返さないように後世に伝える努力をしてきました。

1995年の阪神・淡路大震災、2004年の新潟県中越地震、2011年の東日本大震災は、私もよく覚えており、ある程度は体感した震災でした。

この間に震災への対策や法律の変更、報道の仕方はだいぶ変わりました。
さらに携帯電話にインターネットという新しい技術の発展によって、被災中の方の状況がリアルタイムでわかることも増えてきました。(もちろん中にはデマもあり注意が必要ですが。)

今回の震災の全容が明らかになるのはまだ先でしょう。被災地の復興には長い時間がかかるでしょうし、長い支援が必要になるでしょう。

それでも、いずれ、この震災から立ち直り、この震災から学んで、さらに被害を少なくするように変わっていってくれると期待しています。今までこの国の国民が繰り返してきたように。

追記:

今回NHK の呼びかけが話題になってました。
実際に災害が起こってもバイアスがかかりなかなか避難しない、避難できない現実もあるようです。

”日本の避難勧告・避難指示に罰則がないのは、国民に対して法的に何かを強制することが日本国憲法では禁止されているからだ。だが、人命が失われて仕舞えば、人権を守ることもできない。”

p.112

こちらに対しても、法律の改正を検討してほしいところですねえ。


さらに昨日は飛行機の事故もありました。
石川へ向かうところだったとのこと。。なんとも痛ましいです。
改めて、1人でも多くの人が救出されることと、1日も早い復旧をお祈りしております。


著者:磯田 道史 (著), 備前 やすのり (その他), 河田 惠昭 (読み手)
ASIN ‏ : ‎ B092V2BLJL
出版社 ‏ : ‎ PHP研究所 (2021/2/2)
発売日 ‏ : ‎ 2021/2/2
言語 ‏ : ‎ 日本語
ファイルサイズ ‏ : ‎ 227932 KB

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