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朱夏から白秋へ③

幻冬舎さまから頂いた書籍
『中国経済の属国ニッポン』を
解説している記事、今回が最終章です。


前回の記事はこちら

米中貿易戦争

国際交渉において大事なことは、
持っているカードを使い切らないことです。

オバマ政権までの米国は、
中国に対して「貿易」「通貨」のふたつを
ある時はエサ、または「脅し」として使い、
チベットや香港の人権問題に絡める形で
交渉を進めてきました。

カードを使うのか、使わないのか
微妙な駆け引きを行い、最終的には使わず
落としどころを見つけるのが交渉のカギです。

しかしトランプ元大統領は、
結局ほぼすべての輸入品に関税をかけ
中国と貿易戦争に突入してしまいました。
この行動は、結果的に中国の台頭を加速させるという皮肉な結果をもたらしています。

竹内亮さんが撮った『华为100面孔』の中で
『トランプ大統領のプレッシャーは
私たちの団結を強くした』

と、話す場面があります。
日本語字幕付きですので良ければご覧ください。

トランプ元大統領が行った制裁は
アメリカが商品を買ってくれなくても、
自国とアジア諸国のマーケットのみでも
経済を成立させることができる
と中国に自信を持たせるものとなりました。


それは三国志のように

自国にとって不利益な貿易はしない、
経済のブロック化が進むと
米国がアジアから手を引く可能性もあります。
日本はどのように立ち回れば良いのでしょうか。


①中国の経済圏に自ら入り込む

中国メーカーに日本製の部品を販売するなど
積極的に中国に的を絞れば、
14億人の市場が展開できます。

現在でも資生堂やサントリーなど
中国に馴染んでいる企業は多いので、
国内産業や労働力への影響は
最小限に済むと考えられます。

しかしこの方法、
著者の加谷珪一先生はあまり賛成していません。

いくら日本の製品が人気だからと言っても、
日本は売る側で中国は買う側となり
立場は圧倒的に先方が有利になります。

日本経済は人民元経済圏に引きずり込まれ
様々な面で日本は譲歩を強いられるという
懸念があるのです。


②付加価値の高い製造業

中国の台頭があるとはいえ、
米国も当面は世界屈指の消費大国です。

しかし大量生産を基本とした製造業では、
先ほどの買い手有利な取引になってしまいます。

そこで高くても質が良く、なおかつ需要がある
『付加価値の高い製造業』に
日本が力を入れることで
過度な妥協を迫られる場面を減らすことができます。

例えば、ケンズカフェ東京
250gのガトーショコラが3,000円で
販売されていますが、
全国からお客様が殺到しています。
これは付加価値の高い商品といえるでしょう。
https://nakaeshogo.com/added-value/


中国と組むのか、米国と組むのか、
三国志のように敵味方を切り替えながら
日本は『日本を保っていく』のか。


私は今年に入ってから
『夜と霧』や『方丈記』を読み、
身の丈に合った生活でも
幸福はじゅうぶん得られると思い始めました。

中国による爆買いなど、
一度大きなお金が動くことを
目の当たりにしたことによって
『普通』の基準が高くなってしまいました。

日本が日本のために、
提供する商売だけでも
かつて成り立っていた時代も過去にはあるのです。

再び立ち上がるために、
日本は明治維新の時のように各国から学んだ技術を
自国で発展させることが大事だと思います。


これまでの歴史を見ても、
中国は他国を侵略しようとはしてきませんでした。
(元はモンゴル系なので、民族が別です。)
自分たち意外が『中国人』を名乗ることを嫌がるほど、『中国』に誇りを持っているのです。

***


中国は模倣ばかりの危ない国だと
現実から目を背けることが問題です。

テレビからの情報だけではなく
自ら動いて調べることで日本は変わっていける、
誇りや自信を取り戻すことができると
書籍を読んで気づくことができました。


日本は前線で活躍していた朱夏から、
生存競争から離れた白秋へ向かうのか。

果たしてそこは本当に秋風のように澄み切った、
穏やかな世界なのでしょうか。


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UNA
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