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管理部門と事業部門の魅力的な関係とは

管理部門と事業部門が円滑に連携をとる上での挑戦は、
「インセンティブの設計」に尽きると言えます。

それを少し語りたいと思います。

管理部門の業務は魅力的なのか

しかし、はたして事業部門が、自分たちの主たる業務とは異なる、管理部門の業務を深く理解しようと真剣に取り組むことはあるのでしょうか?

契約書の重要性を認識し、ビジネス法務の知識を身につけようとする事業部門のスタッフは、確かにいるでしょう。

しかしそれはごく一部で、多くは基本的に専門家に任せたい付帯的な業務と考えられがちです。むしろ、事業部門にとっては、管理部門と上手く付き合う大人スキルの方が重要視されるかもしれません。

動いてくれない事業部門へ - インセンティブ設計


では、管理部門の視点から、事業部門を動かすためにはどのようなアプローチが必要でしょうか?

契約や会計の重要性を何度も繰り返し伝え、啓蒙することが効果的だと思われがちですが、それよりも組織全体の動向に適応したインセンティブの設計が重要だと私は考えます。

報酬(リワード)と罰(ペナルティ)

インセンティブには二つのベクトルがあります。
報酬と罰(ペナルティ)です。

会社の規模が小規模なうちは、報酬システムが有効に機能する場合があります。なぜなら、社長が特定の業績や行動を強調すると、その価値観が直接組織全体に反映され、スタッフはCEOからの評価を直接受けることができるからです。

私の過去の経験からの一例は興味深いです。ある企業ですが社長が、「人事、会計、法務の知識は必須、これらを理解せずして君達は社長になることはできない!」とスタッフ全員に強く訴えました。その企業は約100人規模でしたが、その言葉は一人ひとりの心に深く響きました。

それはなぜかというと、皆が「自分は将来、社長になる」という思いが強かったからです。

一方、企業規模が上がると、評価基準の異なる部署間で報酬システムを公平に運用するのは難しくなります。

その結果、罰(ペナルティ)の形を取るインセンティブが自然と前面に出てきます。つまり、社内ルールや法規に違反した場合にマイナスの評価や具体的な人事的な懲罰が課されるという制度です。

罪は悪いことではない

この考え方、罰という言葉がマイナスイメージを惹起するために一見否定的に捉えられがちですが、これは実は企業運営において極めて論理的な制度設計だと私は考えます。

基本的には、事業部門は管理部門が進めるルールやプロセスの習熟に対するペナルティ以外のインセンティブは無い、という前提を置くことが効果的です。

つまるところ「可視化」

その上で管理部門が果たすべき役割は何でしょうか?
その答えは「可視化」にあります。
違反や逸脱の検出をフェアに可能にするためのデータの可視化が重要です。フェアとは、違反が指摘された際に反論の余地がないという状況を指します。

この話題を通じて、管理部門のプロセスやルールを推進するための効果的なアプローチについて考えてみました。管理部門と事業部門は敵同士ではありません。

双方がより効果的なパートナーシップを築くための一助になれば幸いです。

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