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日本の住宅が狭くなっている?
★日本の住宅の延べ面積が縮小している
日本の住宅の延べ面積が縮小しているという現象が確認されています。総務省の「住宅・土地統計調査」によると、2003年のピーク時と比べて、住宅の延べ面積は平均で約3%狭くなっています。2003年には平均95平方メートルだった延べ面積が、2023年には約92平方メートルに減少しました。
建築コストの高騰
この現象の主な原因の一つは、建築コストの高騰です。2015年度に対して建設工事費が3割程度上昇しており、このコストを全て販売価格に転嫁すると住宅価格が高くなり過ぎるため、住宅業者は面積を縮小することで価格を抑える方針を取るようになりました。言い換えれば、住宅の面積を小さくすることで、同じ価格帯を維持しようとする動きが見られます。
人気住宅地と若い世代への影響
特に、人気の住宅地では土地の価格も高騰しており、広い住宅を手に入れることはさらに難しくなっています。土地の値段が高い場所では、購入者が同じ予算でより小さな住宅を選ばざるを得ない状況が続いています。この影響は特に資金面で余裕のない若い世代にとって大きな負担となっており、将来的な住宅取得のハードルが高くなっています。
住宅取得が難しくなっている
住宅事情は経済や社会の変動に大きく影響を受けます。住宅の延べ面積縮小という現象も、その一端を表しています。年を追う毎に住宅の延床面積は100%を超えてほしいものです。しかし残念ながら小さくなってしまっています。建築コストの高騰や土地価格の上昇は、今後も住宅市場に大きな影響を与えることでしょう。この流れは今の社会状況から暫く続くでしょう。このような現状を理解し、建築会社は対策を講じていかなければなりません。住宅展示場に建てられているモデルルームを見るたびに顧客ニーズからズレてないかと他人事ながら心配になります。