苦手な人との関わりのストレスをジャーナリングで減少させる
人間関係のストレスは、職場や学校などのコミュニティにおいて避けられないものだ。
特に「この人は苦手だな」「正直、嫌だ」と思う相手と毎日のように顔を合わせなければならない環境は、精神的な負荷が大きい。
そこで活用したいのがジャーナリングだ。
嫌な人や苦手な人との関係で生じるストレスを、書く行為によって軽減・改善へと導く方法を紹介する。
1. ストレスを軽減する基本ステップ
1-1. まずは「吐き出す」
とにかくストレスや不満をノートにぶつける
嫌な上司のこと、腹が立った出来事、自分の不満や怒りを正直に書き連ねる。頭の中のぐるぐるを外に出すだけで楽になる
誰かに愚痴る方法もあるが、常に相手がいるとは限らない。ジャーナリングならいつでも自由に書き出せる。
体験談
新卒2年目の頃、私も合わない上司にストレスを抱えていたが、ノートに毎日のように不満を書き出していた。
今読み返すと笑ってしまうほどだが、当時はそれで気持ちが救われていたと実感している。
1-2. 状況を整理する
ストレスの原因や構造を客観視する
“何が、なぜこんなにつらいのか”を箇条書きにしてみる。相手との関係にどんな選択肢があるか
自分が捉え方を変える
相手との接し方を変える
実質的に距離を置く方法を探る
焦らず取り組む
ストレス真っ只中では冷静に考えにくいので、まずは吐き出すことに集中してからゆっくり整理するのがよい。
1-3. 変えられそうなことを探す
実際に起こっている事象を変えられるか
たとえば、業務の進め方を変えたり、机の配置を変えたり、物理的距離を取るなど。自分の捉え方や意識を改める
「そこまで気にしなくてもいいのでは?」と思えるか
「相手にも事情があるかもしれない」と考えてみる
そもそも、“この嫌な面”も別の角度から見ると良い面につながらないか
ストレス自体に意味を見いだす
「自分は何に敏感なのか」「なぜこれが嫌と感じるのか」を知るきっかけになる場合もある。
1-4. 行動に落とし込む
小さなアクションでも構わない
例:「挨拶だけはちゃんとしよう」「気づいたら相手の話を1分だけ聞いてみよう」など、具体的に動いてみる。行動した結果を再びジャーナリングで振り返る
うまくいかなかったら「次はこうしよう」と改善策を練る。うまくいったら「これなら続けられそう」と自信に変える。
2. ジャーナリングがもたらすメリット
いつでもどこでもストレスを吐き出せる
愚痴を聞いてくれる相手がいなくても、ノートやメモアプリがあれば何とかなる。思考のループから抜けやすい
書きながら思考を整理するうちに、「あ、こんな見方もあるかも」と事態を客観視しやすくなる。改善行動へ繋がる具体的なヒントが出る
自分の感情やストレス源を明確にすることで、「じゃあ、こうすればいいかも」という発想が浮かぶ。
3. 実践例:上司が苦手で辛い場合
ノートに思いきり愚痴を書く
「○○上司がほんとうに合わない」「指示が曖昧」「無理難題ばかり」など遠慮なく書く。なぜ合わないのかを分析
コミュニケーションのタイミングがずれているのか
価値観があまりに違うのか
実は自分に自信がない部分を刺激されているだけか
どうすれば少しでも緩和できるか検討
業務フローや連絡ツールの工夫
上司に要求や希望を伝えられるのか
自分の受け止め方を変える(「まあ、そういう人だ」と割り切るなど)
試した結果を再度書く
成功したら「これ、意外といけるかも」、失敗したら「次はこうしてみよう」と次に繋げる。
4. 長期的に見れば“自分の成長”もわかる
過去のジャーナリングを読み返すと、「あのときはこんなに辛かったのか。でも、いまはだいぶ気にならなくなってきた」というように自分が成長している様子を客観的に把握できる。
これがストレス解消だけでなく、自己肯定感や自己理解につながる大きなメリットでもある。
中長期的な振り返りについてはこちらの記事に書いている。
まとめ
苦手な人との関わりは避けられないが、ジャーナリングでストレスを軽減・改善できる
吐き出す→状況を整理する→変えられそうな部分を探す→行動する、を繰り返す
書き続ける中で、自分の感情や成長を客観視し、対策を講じやすくなる
人間関係のストレスは決して簡単に消えてなくなるものではないが、ジャーナリングを使ってこまめに吐き出し、少しずつ状況を改善する行動をとることで、今よりは楽な関係性を築ける可能性は大いにある。
嫌な相手との関わりを、ただ我慢して耐えるのではなく、ジャーナリングというツールを活かして「自分の心のケアと状況改善」を同時に進める習慣をつくっていってほしい。
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