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介護現場が求めるのは”指導力のあるリーダー”。では、どう育てる?

こんにちは! あきた創生マネジメント代表の阿波野です。

私たちは「人口減少社会において、介護経営をリデザインする」をゴールに見据え、「関係人口増加によるファンづくり」「ICT導入による業務効率化」「人口減少が進む秋田県での働きかた改革」の3つを、全国の仲間たちの力を借りながら、推進しています。
 
今日は「働き方改革」の中でも重要なコアのひとつである、「リーダー育成」についてお話したいと思います。

1.    リーダー観をとりまくギャップ


 みなさんは、職場の「リーダー」にどんな印象・イメージを抱いていますか? 
 
株式会社Blanketが運営するKAIGO LEADERS LAB.が、全国の介護・福祉現場で働く20代以上219名を対象に実施した調査によると、一般職・スタッフから見た「チームリーダー」が持つべき能力・資質の1位は「指導力」だそうです。一方、チームリーダー自身の1位は「チーム構築力」で、指導力は6位。管理者・施設長、経営層の回答も、指導力は相対的に低い結果でした。

【調査リリース】介護職の仕事の悩みとリーダーに求める力についての意識調査 スタッフがチームリーダーに求める力の1位は「指導力」

みなさんはこの結果を見て、どのように思われましたか?
 
私はとても興味深い内容だと思いました。チームリーダーや管理者、施設長、経営層からすると、“リーダーたるもの指導力はあって当たり前”と考えていても不思議はありません。でも、現場で働く一般職・スタッフからすると、もっとしっかりとリーダーシップを発揮してほしい。どうも大きなギャップがありそうです。こうしたすれ違いはどこの現場でも起きていることではないでしょうか。
 
最初はちょっとしたガッカリ感であったり、手ごたえのなさであったりしても、積もり積もるとモチベーション低下、働きづらさ、離職率の高さなどにつながっていくのではないかと感じています。どんなに素晴らしい理念を掲げていても、リーダーが定着せず、次々に変わっていくような職場・組織では頑張ろうという気になれないと思うのです。

2.  介護現場でリーダーが育たない、たった1つの理由


「介護現場でリーダーが育たないのが課題だ」と、よく言われます。

原因として「介護専門職としての教育が優先されすぎている」「リーダーになっても同時に現場仕事もこなさなくてはならないので大変」「リーダーになりたがらない人も少なくない」……など、さまざまな要因が挙げられています。

でも、実は理由はシンプルかつ明快で、「(会社や組織が)リーダーを育てようとしていない」という点に尽きるのではないかと思います。

私自身もそうでした。私にとって初めての”リーダー”経験は「グループホームの管理者」です。介護の仕事を始めて、5年目のことでした。6~7人いるスタッフをまとめ、必要に応じて指導し、勤務シフトを作成する。通常のケアに加えて、書類仕事が一気に増えます。

コミュニケーションの壁にもぶつかりました。自分としては伝えているつもりのことが全然スタッフにわかってもらえない。今、振り返ってみると明らかに自分のマネジメント力不足なのですが、その時は気づかずに、相手のせいにしてイライラしていました。当然、人間関係は悪くなり、ますますコミュニケーションがうまくいかなくなるという悪循環です。

リーダーの役割とは何か。「チームをマネジメントする」とはどういうことか。リーダーがやるべき仕事、やってはいけない仕事とは何か……。こうした基本のキを知らないまま、ある日突然、ただ役職だけを手にする。リーダーとしてどうふるまえばいいかは、個々の判断にゆだねられてしまう。私の経験は20年近く前のことですが、残念ながら未だに多くの現場で同じようなことが起き続けています。

役職がついたらといって、誰もが自然にリーダーになれるわけではありません。どうすれば、リーダーになれるのか。リーダーとしてのスキルをどのように身につけるのか。未来の介護業界を明るく照らすために今できることは、「リーダー教育」が必要不可欠だと私は考えています。

3. あきた創生マネジメントの「リーダーマネジメント研修」の取り組み

私たちは創業10年目を迎えた2021年度から「リーダーマネジメント研修」をスタートしました。

vision・mission・value 

2021年度のリーダーマネジメント研修のテーマは「想いをカタチに・言語化し想いを他者に伝えること」でした。そして今年、2022年度のテーマは「ブレない軸(コンパス)を創るために」です。


コロナや災害、戦争、将来に不安が多く心身も不安定になりがちな外的要因がたくさんある社会だからこそ、自分自身の判断軸(コンパス)が重要です。軸が揺らげば、大切な家族や仲間を守ることもできません。自分自身の成長はもちろん、大切な相手を守るための学びの時間でもあります。

私たちのリーダーマネジメント研修は月1回、6カ月間に渡って行います。2021年度に実施した各回のテーマをご紹介します。

第1回:ビジョン・ミッション・バリューとは何か
第2回:ビジョン・ミッション・バリューから取り組みを振り返る
第3回:バリューの振り返り~できていること、今後の課題~
第4回:これまでの議論をもとに「個人理念」について考える
第5回:「個人理念」の言語化をしてみよう
第6回:「個人理念」を伝えてみる

このリーダーマネジメント研修は、現職のリーダーはもちろん、リーダーを目指すスタッフも本人が希望すれば、全員が参加できます。「リーダー研修に参加すること/参加しないこと」は一切、勤務評定に影響しません。研修は勤務時間内ではなく、勤務時間外に行います。つまり、参加メンバーは全員がプライベートな時間を割いて集まり、学んでいるのです。

リーダーマネジメント研修風景

「やらされ感」があると、人はなかなか頑張ることができません。自分自身で学ぶと決め、実行に移す。その思いと覚悟があってこそ、学びが最大化するのだと思います。

2022年度のリーダーマネジメント研修も残すところ、あと2回となりました。前回に引き続き、研修参加メンバーはめきめきと成長しています。研修の中で何をどのように学び、どう変わって行っているのか。次回は私たちのリーダー研修の内容についてもう少し踏み込んでお伝えしていきたいと思います。

この記事を読んでくれた皆さんにもぜひ、その興味関心を持っていただき秋田に来ていただけるとうれしいです!


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