これがスラッシュゼロというものか…
なんとも情けない話ですが、
今日は、スコーンの話でありつつ…ぼやき話でもありつつ…です。
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当店は「スラッシュゼロを目指す店」と、掲げています。
スラッシュゼロとは…
食品の裏面表示を掲示する際に、その商品に添加物を使用した場合、原材料表示の最後に/(スラッシュ)を記入し、以下に使用した添加物を記入するというルールがあります。
そう。
「スラッシュゼロとは、添加物を使わない」と言うこと。
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そんなことを言うのなら、
作り手としましては、何も膨張剤を使わずしては作れないスコーンと言うメニューをですね、わざわざ作らなくても良いって話になるわけですよ。
先日ご来店のお客様も「スコーンは食べない、食べたことがないと思う」と仰っておられました。
そうなんです。
食品表示を見ながらお買い物をされる方の思いを代弁しますと、
添加物なしでは作れないような菓子は、購入の選択から外れると言うわけです。
なので、当店では「出ないメニュー」の印象があったかも知れないし…
もともと食べたいお菓子ではなかったかも知れないし…
当店は期待されていなかった かも知れません。
きっと、そうまでしてコレを食べたいとは思わない…こんな気持ちが着地点だったかも知れません。
(「そうまで」って、どこまでかわからないけれど。)
だからこのメニューは以前から、作れども作れども…お客様からスルーされ、
1ミリも動かない商品の代表なのでした。
あら、残念。
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今日、再び、膨張剤など添加物不使用の代わりに有機酵母を使うスコーンを、再度焼く気になったことの背景に、ちょっとした気持ちの整理がありました。
暑い日が続き、人ひとり通らない場所で、菓子を作っちゃ捨てを繰り返す日々。
すっかり気が滅入っていた時のことです。
ふと…この店の特徴は何だろう🤔
自問自答するきっかけが生まれたのです。
当店の菓子を食べた方が「あぁ美味しかった」のその後に、何が待っているのでしょう。
どんな思いになるのでしょう。
ただ単に「美味しかった」だけかしら?
この店は、どの店にもあるものばかりかしら?
この店には「この店ならではの思いが込められたもの」があるかしら?
こんなことから、
この添加物を使わない、まさにナチュラルなスコーンが、
日の目を見ることとなったのでした。
自分で作っていながら、こんなこと言うのもナンだけど、
スラッシュゼロって、結構な覚悟が要る。
菓子の世界って、その製法に逆らうと美味しさから遠ざかったりして…。
自分の思いを高々と掲げてから気づく、これがスラッシュゼロというものか…。
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