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〝思い〟を解放する

ご無沙汰をしておりましたbakerのBitteです。

写真は、お客様から反対の位置にいる「店の人目線」で撮ったもの。

写真の2商品は「ワッフル」と「タルト・オ・シュクル」なのですが 
どちらも、そろそろ終売を予定しています。

私 bakerは、菓子屋としてこの店を開け、何の経緯か?数年間パンを焼き、
昨年再び菓子屋として再開しています。
〝パンを焼き〟と言ってもですね、明けても暮れても毎日、思いっきりずっしり系のライ麦のパンばかりを焼いていました。

それに比べれば、この2商品は ふわっふわ!の菓子パン…ですね。
発酵菓子だなんて言ったって「なんだ?それ?」ですから。

菓子パン。
えぇ、それで良いんです。
菓子屋なのですから!

菓子屋なら菓子を焼け!
はい、御無理御尤も。

そして、そのイースト菓子の終売を決め、
ここしばらくはline upの再構成で頭の中がいっぱいでした。

・・・・・・・

この私は何故か発酵菓子に魅力を感じ、パンも良いけど菓子パンも良いよね!と思う人。

この店を立ち上げた時も、発酵菓子「ヌスボイゲル」からヒントを得て
フリュヒテ、ショコなどとバリエーション展開をしていたっけ…。
(ボイゲル及びヌスボイゲルは、皆さま各自で調べてください🙇‍♀️)

フランスの北部アルザス発祥で有名な「クグロフ」もまた発酵菓子。
いつの間に、クグロフ型なら ずいぶんな数が揃ったなぁ…。

欧州は日本ほど、パンとお菓子の境界線がない…と、作りながら思ったものです。
フランスの菓子職人は普通にイーストを扱うし、日本ではパン屋に並ぶパンだと思われているクロワッサンを普通に焼く。
クロワッサンはヴィエノワズリーだから。
クロワッサンは発酵菓子だから。

・・・・・・・

このたび、発酵菓子をやめることにしました。
これは私が執拗なまでに抱いて来た「思い」を解放することに他なりません。

そうね〜、たまに時間が取れたら焼いても良いかな?
今はこんな気分。

〝憑き物が落ちた〟ほどの 開けた感(開放感)は感じないけれど、
自らのちからで〝気持ちを解いた感〟はある。

寂しくもない。
悲しくもない。
自分が決めたことだから。

空いた穴を埋める後ろ向きな思いではなく、
新しい何かを編み出す、生み出すことが出来る、こんな前向きな思いだ。

これからは、ごく稀にイーストを使った菓子が出てくるかも知れないし…出てこないかも知れないし…。

これからの自分が楽しみだ。


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