「グランド・ホテル」ここに注目!
脚本・撮影ばかりが取り上げられるが、ラストの切なさも魅力。
映画「グランド・ホテル」を鑑賞しました。
第5回アカデミー賞で最優秀作品賞を受賞した作品で、当時としては画期的だった撮影形式を用いられました。
今回の記事では、「グランド・ホテル」をより一層楽しむためのポイントを解説します!
STORY
まずは、「グランド・ホテル形式」について解説します!
グランド・ホテル形式
「グランド・ホテル形式」とは、限られた時間に限られた場所へ集まった人々の人間模様を、複数のスター俳優を起用して同時並行的に描き出す、だれもが主役のように感じられる作品です。
今となっては、複数の視点で物語が同時進行するものはそれほど珍しくないかもしれませんが、当時はもう本当に画期的だったのです。
三谷幸喜さんの「有頂天ホテル」なんかは、この映画をオマージュして作っているのでしょう。
とにかく、この映画の撮影形式を受けて、映画の世界は格段に広がったはずです。
タランティーノも、グランド・ホテル形式多いですよね。
しかしながら、このグランド・ホテル形式が生まれたのは、アクシデントや軋轢があったからだということをご存じでしょうか?
グレタ・ガルボとジョーン・クロフォード
「グランド・ホテル」には、当時MGMのトップスターであった、グレタ・ガルボとジョーン・クロフォードが出演しています。
どちらも、メインヒロインを張るほどの人気者です。
今でいうなら、グレタ・ガルボが、アン・ハサウェイ。
ジョーン・クロフォードが、マーゴット・ロビーみたいな感じでしょうかね。
そんな二人が共演するのはもちろん初めてで、撮影当日まで顔を合わせたことすらなかったのだとか。
互いに挨拶から険悪ムードだったそうです。
監督としては、角が立たぬよう、どちらの役も目立つようにしたいですよね…。
両者に気持ちよく演じてもらうべく、生まれたのが、「グランド・ホテル形式」だったのかもしれません。
様々な人が集まるベルリン
グランド・ホテルはベルリンにあるという設定です。
実際に、1930年頃のベルリンは、文化が花開き、様々な人が集まる場所でした。
それについては、「キャバレー」の記事で詳しくまとめていますので、ぜひお読みください👇
ロシア・アメリカ・ドイツ・イギリス…、様々な国の人々が集まる楽園のような時代があったのです。
悲しくも、すぐにナチによって破壊されてしまいますが。
撮影地
先述の通り、舞台はベルリンですが、実際に撮影されたのは、カリフォルニアのMGMスタジオ。
吹き抜けや階下を眺めるシーンは、かなり高さがあったように見えました。
あれもセットなのだとしたらとてつもない金額がかかってそうです笑
セットと踏まえてみると、エレベーターのシーンにとても美術の頑張りが見えてグッときます。
ホテルのロビー
ホテルのロビーが何とも洒落ています。
やや無造作に置かれたソファーに既視感を覚えました。
「ドントウォーリーダーリン」でオマージュされてますね。
ラスト
私は、今作のラストに大きな魅了を感じました。
登場人物の一人は、余命宣告を受ける。
一人は愛と出会う。
一人は事故で命を落とす。
などなど、死や生を感じるドラマがたくさんあります。
そして、ラストでは、結婚式を終えた直後の2人がホテルにやってきて、ホテルのスタッフは赤ん坊出世の電話を受ける…。
人生は、始まりと終わりの連続であることを伝えるあのラストは感動します。
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます!
グランド・ホテルに関する情報をお届けしました。
映画史に残る斬新な形式と、美しいラストが必見です。
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