殷王朝の戦う王妃「婦好」
先日、スマホのブラウザがオススメしてきた記事。そのタイトルを見て「あ、懐かしいな」と感じました。懐かしいというのは、この人物について纏めたことがあったからです。
そちらの記事がこちら。
自分が書いた記事がこちら。
せっかくなので、放置されているブログの記事をこちらに転載しておこうと思います。
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「96人の人物で知る中国の歴史」という本を読んでいる。
3人の著者のうち、2人は西洋人、1人は中国人または中国系のようだ。日本人の書いた同じ様な本と比べて、人物の選び方が違うなと感じたので、何人か纏めてみたいと思う。
この本の最初に取り上げられている人物は、「婦好」である。
参った。いきなり知らない人だ。
読んでみると殷王朝の王、武丁の妻である。(武丁はかろうじて「史記」の本記で名前をみた記憶がある)
単に後世の歴史書に登場するだけでなく、甲骨に記された数百点の同時代の文書でその存在が裏付けられている。そしてその甲骨文に残る生涯は中々にドラマチックなようだ。
女性でありながら、数千の兵を率いて幾度も戦った将軍であり、政治の面でも大きな役割をになっていた。そして長患いの後、亡くなったとのことである。婦好のものとみられる墓は、未盗掘で見つかり、数多くの副葬品が発見されている。
なんで今まで知らなかったかと思うほど、派手な人物だ。そして一人の人物として興味深いだけでなく、古代中国における女性の地位という面でも興味を掻き立てられる。殷代の女性は意外に地位がたかかったのか、この人が全くの例外なのか。
参考文献
「96人の人物で知る中国の歴史」
ヴィクター・H・メア サンピン・チェン フランシス・ウッド
原書房 2017
ISBN978-4-562-05376-6
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自分の記事で気になるのは、幻冬舎プラスの記事では甲骨文にのみ出てくるとなっているのに、自分の記事では後世の書物でも出てくるように書いてあるところですね。参考にした本に、甲骨文以外にも確認できる史料があったように書いてあったので、こう書いた気がするのですが・・・。参考にした本をもう一度確認した方が良いかもしれません。
追記
先ほど知名度の低い人物として紹介してしまったけど、ゲーム等で取り上げられて一気に知名度が上がってたりしないかと検索したところ、婦好を主人公にした小説が出版されているようです。
また、こんなツイートも見つけ、未解明な部分の多い人物の魅力ともどかしさを再確認しました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。本業のサイトもご覧いただければ幸いです。