読書×ヤンキーギャグマンガ『どくヤン!』のご紹介
noteユーザーのみなさま、はじめまして。読書ヤンキーギャグマンガ『どくヤン!』と申します。noteでは、各話の振り返りなどを記していこうと思っています。ここではその前に、本作がどんな作品であるのかを簡単に説明させていただきます。
『どくヤン!』は、講談社の「Dモーニング」で隔号連載中のギャグマンガです。同じく講談社のマンガアプリである「コミックDAYS」にも掲載されています。ご存知でない方にはDモーニングについて説明したほうがいいかもしれないので、記事の最後に記載します。
コミックDAYSでは、第1話と第2話が常時無料公開。最新エピソードを除く、2番めと3番めに新しいエピソードも無料公開しています。コミックDAYSのスマートフォンアプリをインストールしていただければ、1日1枚(厳密には23時間に1枚)のチケットで全話無料でお読みいただけます。
上のコミックDAYSのリンクにもありますが、作者は原作担当の「左近洋一郎(ルノアール兄弟)」と漫画担当の「カミムラ晋作」の二人。また、クレジットは出しておりませんが、このテキストを書いている私「仲真」も協力しています。このnoteアカウントは左近さん・カミムラさん・仲・担当編集者で共用しますが、テキストは主に仲が担当する予定。「協力って何?」と思われるかもしれないので、私についても記事の最後で自己紹介させていただきます。
“読書×ヤンキー”ギャグとは?
さて、ヘッダー画像を見ていただいただけで、なんとなくおわかりいただける気もするのですが、読書ヤンキーギャグマンガとはどういうものなのか簡単に説明しましょう。
かの文豪・ドストエフスキーを「ドス」呼ばわりしたり……、
喧嘩が弱い生徒はブッカツの危険にさらされたり……、
私小説に傾倒するあまりに喧嘩は強いけど病弱なやつがいたり……、
時間割は全て「読書」の“読書上等”なクラスで――
ヤンキーが夏目漱石の『こころ』を暗唱したり……、
SF好きが「“私“なんて小せェ小せェ」と私小説好きにちょっかいを出したり……、
本の香りを嗅ぐ“本パン”を嗜んだりする、「私立毘武輪凰(ビブリオ)高校」を舞台にしたマンガです。読書とヤンキーとギャグなのは、十二分にご理解いただけたのではないでしょうか。
ここまでに貼っている画像は、すべて第1話と第2話からです。気になった方はコミックDAYSで無料公開されているエピソード全体もご一読いただければ!
単行本も第2巻まで発売しておりますので、夜露死苦お願いいたします!
第1巻発売時のこちらのレビュー記事は、画像が豊富でどんなマンガなのかが分かりやすいかと思います。
2020年も半分を過ぎてしまいましたが、読書上等で乗り切りましょう!
(以下、Dモーニングと私についての説明です)
「Dモーニング」とは?
さて、まずはDモーニングの説明から。
講談社には「モーニング」という漫画雑誌があります。このテキストをご覧いただいている方には、言うまでもない話かもしれませんが、『島耕作』シリーズ、『クッキングパパ』、『宇宙兄弟』、『ジャイアントキリング』などなど、たくさんの人気作品が連載している青年マンガ誌ですね。
そして、DモーニングのDはDigitalのD。簡単に言うとモーニング誌の電子版なのですが、モーニングとDモーニングでは少し違いがあります。
それが、Dモーニングのオリジナル連載があること。『どくヤン!』以外にもさまざまな作品が連載中で、現在はモーニング本誌に移籍して大ヒット連載中の山田金鉄さんの『あせとせっけん』もDモーニングオリジナル連載でした。逆に言うと、モーニング誌では『どくヤン!』は読めないんですね。
これだけなら、「そこまで難しくなくない?」と思われるかもしれませんが、実はDモーニングとは別に「モーニングの電子版」もあるのです。
例を挙げてみましょう。こちらのKindle版モーニングは「モーニングの電子版」。
そして、下のサムネイルでは、閲覧デバイスによっては切れてしまうのですが、リンク先を開くとモーニングの前に「D」がついている。これがDモーニング。
Dモーニングは、ウェブサイトやスマートフォンアプリでお読みいただけます。有料プランもありますが、『どくヤン!』等のDモーニングオリジナル連載は無料でお読みいただけます。
そして、『どくヤン!』も掲載されているコミックDAYSには、「DAYSプレミアム」「DAYSもっとプレミアム」という、講談社の漫画雑誌を複数購読しているけど、紙版に特にこだわっているわけではない方にはビックリするくらいお得な電子版購読プランがあります。そのどちらのプランでもモーニングが読めるけど、こちらは「モーニングの電子版」です。
つまり、『どくヤン!』が読めるコミックDAYSの雑誌プレミアムプランでは『どくヤン!』の連載は読めないわけです。何にせよDAYSで読めるわけですが、これが少し分かりにくいかもしれません。
なので、Dのついていないモーニングでは、電子版でも『どくヤン!』は読めません。とはいえ、DAYSプレミアムで「モーニングの電子版」をお得に読んで、Dモーニングのサイトやアプリでオリジナル連載を無料で読むこともできますし、「Dのついていないモーニングに『どくヤン!』は載っていない」ということだけ覚えていただければ問題ないかと思います。DigitalとDokuYan!のD、ということで夜露死苦お願いいたします!
「協力」とは
続いて私・仲真の立ち位置について。
『どくヤン!』の打ち合わせには私も必ず参加しますが、基本的には左近さんとカミムラさんによってつくられている作品です。私がメインでリサーチなどをすることもありますが、エピソードのメインになる本を左近さんもカミムラさんも読んでいない、というケースは、ごく一部を除いてありません。
ちなみにそれも、今のところはスケジュールが逼迫して読めなかった、といった話ではなく、物理的に読みようがない本だから――という場合のみだと思います。たとえば第8話に登場する『亞書』とか。
ただ、『どくヤン!』が今のようなギャグマンガになって、Dモーニングでの連載に至るまでは色々と紆余曲折がありまして、このマンガの大元が私だったりします。
カミムラさんと私との共通の友人である相当な読書家のマンガ家さんと「新しい連載がしたい」といった話になったとき、ぽっと出たのが「読書とヤンキー」というアイデアでした。
そして後日、当時されていた連載作品を終えたカミムラさんと二人で食事をしていたときに、「そう言えば、あれ……」みたいな話になって、やってみましょうかとなったような。たしか、それが6・7年前という恐ろしい話なので、忘れっぽい私は細かいことはまったく記憶しておりません……。
今と大きく異なっているのは、最初期の『どくヤン!』はバトルメインの「読書ギャグもある漫画」であった点です。
その頃は初稿を私が書いて、左近先生にギャグを入れたり話の筋を変えたりしてもらっていたのですが、純粋なギャグマンガに生まれ変わった今となっては、左近さんとカミムラさんだけでもできるマンガかもしれません。しかし、特に細かい座組の話などはなく、そのまま三人四脚でやってきました(もちろんDモーニングでの掲載以降は、担当編集者の鈴木さんにもお世話になっています)。
ただ、「賞を受賞したわけでもなく、海の物とも山の物ともつかぬギャグマンガ(正直ストーリー漫画に比べて売れにくい印象は強い)で原作・作画コンビならまだしも、三人もいたら面倒に思われるのでは?」といった思いもあり、私の存在を鈴木さんに伏せていた時期はありました。今考えるとそれも凄い話だ。
鈴木さんと左近さんとカミムラさんで打ち合わせをして、それを終えた二人に私が混じって次のエピソードを考える、というスタイルをしばらく続け、単行本を出していただけることが決まり、さすがにそこで隠すのも何だし、私が打ち合わせに参加していれば済む、鈴木さんのフィードバックの伝達が毎回発生していたので、第10話か11話の打ち合わせ(だったような……)でご挨拶することになりました。
クレジットについては、連載では出さないという形を私が希望して現在の形になっています。単行本では出すことになり、その肩書きをどうするかという話をしていたとき、最初は「原案」か? と思ったのですが、それだと今関わっていない感じもあるかも、となって、作業量の多寡はともかく毎話参加してはいるので「協力」としました。他に思いつきませんでしたが、あまり見ない妙なクレジットかも……。
ちなみに、メールなどを本気で検索すれば分かるかもしれないのですが、左近さんの参加が決まったタイミングも忘れてしまいました。ただ、一番最初に出版社に持ち込んだときは、すでに左近さんの手が入っていたのは間違いありません。そのあたりのお話は、各話振り返りと一緒にまた触れていければと思っています。ひとまずこのテキストはこの辺で!