【スイス&ドイツ鉄道旅日記(4) 】モントルーとクイーン、そしてボウイ
4日目はチューリッヒからモントルーに鉄道で移動、また、モントルーからGoldenPassLineと言う特急でチューリッヒに戻るプラン。
8:32にチューリッヒを出て快速でローザンヌに向かい、乗り換えて11:24にモントルーに着。
2時間52分の旅で、東京から大阪まで移動する感じか。
フランス語圏のローザンヌに近づくと言語もフランス語が飛び交い、ラテン民族の空気感が車内に漂います。
さて、モントルーはジャズフェスでも有名な音楽都市で、その辺りから話は展開します。
登場するのはクイーンとフレディ・マーキュリー、そしてデヴィッド・ボウイ。
Smoke On The Water
しかし、その前にある曲の存在とモントルーがリンクすることを思い出すのです。
古典的なロックの代表ソング、1973年のDeepPurple(ディープ・パープル)のSmoke On The Waterでは「We all came out to Montreux」
と言う歌い出しで、我々はモントルーと言う都市名を初めて聴くのです。
その辺りはこの方のブログが詳しいです。
さらにはFrank Zappa and the Mothersと言う固有名詞まで、登場するのですが、モントルーでレマン湖畔に佇み、その事を思い出していました。
英語ではジュネーヴ湖(Lake Geneva)というため、レマン湖とは歌詞で歌われてませんが。
この歌のウォーターはレマン湖のことなのです。
Smoke on the water, fire in the sky
フレディマーキュリーの銅像
さて、モントルー駅から徒歩10分以内でレマン湖畔に佇むフレディマーキュリーの銅像に辿り着きます。
多くの人が集まり、記念写真を撮影し、御供物を捧げます。1991年にはフレディは亡くなりますが、1996年にはこの銅像が寄贈されます。
晩年には彼の別荘まであったモントルー。湖畔と言うリラックスしたリゾート感はセレブ好みです。
『Jazz』
フレディとモントルーの出会いは、7thアルバム『Jazz』に遡ります。
自分が最初に買い求めたクイーンのアルバムでもあります。
1978年、モントルージャズフェスティバルに出演するためこの地を訪れたクイーンは、「ロジャー」をこの地で録っていたデヴィッド・ボウイの薦めでこのマウンテン・スタジオを使用します。
さらにジャズフェスにインスピレーションを得て、『Jazz』と言うタイトルに至ります。
そしてクイーンは、このスタジオを購入し彼らの所有スタジオとなります。
1979年から1993年まで所有し、『Jazz』から『Live Killers』『Hot Space』『A Kind Of Magic』『Innuendo』『Made In Heaven』などの作品がここモントルーで録音されました。
『Hot Space』
この中に自分が最も好きなアルバムがあり、それが『Hot Space』なのです。本作はクイーン・ファンの中では不評ですが、フレディとジョン・ディーコンが主導し、クイーンファンクとも言える新たなサウンドを展開したのです。1981年10月マウンテンスタジオで録音、翌年82年5月にリリースされます。
これに先立ち1981年にシングル発売されたアンダー・プレッシャーは、イギリスのシングルチャートで1位を獲得。
このボウイとのデュエット曲は、モントルーのスタジオで行われた即興のジャムセッションから生まれたのです。
当時ボウイはスタジオの近所に住んでいて、レコーディング中のクイーンを訪問。ジョン・ディーコンのベースリフをもとにしたジャム・セッションが彼が参加し発展して曲となります。完成した楽曲には即興的なフレディのスキャットが入り、ボウイと自由きままにヴォーカルを交替したりと即興要素が溢れます。
話が音楽の方向に行き過ぎて、収拾がつかないので、この話は別の機会にして、旅日記を続けます。
このマウンテン・スタジオも閉鎖となりましたが、その跡地に「Queen: The Studio Experience Montreux」があり、見学可能です。
チーズフォンデュ
フレディと別れを告げ、我々はモントルーの町をチーズフォンデュを求めて彷徨います。
そして坂を登り15分後に辿り着いたのがこのお店。
日本人がチーズフォンデュを食べるのが珍しいのか、食べるたびに店内で歓声が上がります。
そして、お味は絶品。
今回の旅で初めて入ったレストラン。会計はチーズフォンデュ3人分とワインなどドリンクで、1.6万円。かなり美味だったので良しとしよう。
Golden Pass Express
最後はスイス屈指の観光列車のGolden Pass Expressで、モントルーからインターラーケン方面に向かいます。
約2.5時間乗って途中のシューピーツで乗り換えて、普通に鉄道でチューリッヒに戻ります。
線路幅が違う路線を、いくつか跨って走行しているとのこと。中で食事もオーダー可能です。
レマン湖から始まり、その後は延々と高山地帯の絶家が続きます。
予約なしでも乗れますが、我々はオンラインで予約して正解でした。
盛りだくさんなモントルーへの旅は終わりました。