築40年の団地にあった、理想的な子育て環境
団地もいろいろであ――る。
ここは歴史ある団地であ――る。
急に頭がおかしくなったのではないのであ――る。
こう書く理由があ――る。
会社から2キロ圏内であれば、会社から家賃補助が出る。
ただそれだけの理由で住むことに決めた、築40年の団地。
古くてやたら仕切られた間取り、
ミニマリストには余るほどの収納、
身長185cmには低すぎる敷居やキッチン、
最新の冷蔵庫や洗濯機を入れられない狭い通路、
8階建てなのに1・4・7階でしか降りられないエレベータ。
正直、全然魅力的じゃなかった。
家を買うまでの仮住まいのつもりだった。
あれから時が経ち、私たちの住む団地は築50年にさしかかった。
現在は子ども4人と妻、私の6人で3DKの部屋に住んでいます。
そして、できるだけ長くここに住み続ける方法を模索する日々。
私の住む団地には、様々な不便さを超える魅力が詰まっていました。
古くてダサいという偏見にとらわれず、団地がどんな世界か、最後まで見ていただけると嬉しいです。
いつも清潔で安心安全
私の住む団地は、ほぼ毎日清掃してもらえるからいつでもキレイ。
大量の落ち葉、誰かがポイ捨てしたお菓子の袋、ジュースやビールの空き容器も、翌日にはなくなっています。
団地の敷地内には合計6つくらい公園があるのですが、それぞれの場所のごみはもちろん、砂場もキレイに均してくれているんです。
小さい子どもでも、安心して遊ばせることができます。
公園だけじゃありません。
エントランスにエレベータ、廊下や階段はもちろん、玄関の前まで掃除しに来てくれます。
玄関から外はすべてキレイにしてくれるので、管理の煩わしさがありません。
他にも、草刈りや枝葉の剪定を定期的にしてもらえるし、スズメバチなどの害虫も連絡したらすぐに退治してくれます。
不審者の目撃情報があればすぐに全棟に共有され、住民の見守りの目が厳しくなります。
今は子どもが自転車に乗る練習をするために、わざわざ大きな公園に行かないといけない時代です。
ここでは、子どもたちは自転車やキックボードを貸しあったり、追いかけっこをして毎日のように団地中を駆けまわります。
それが許せるのは、ここが安全だと思えるから。
保護者同伴の幼児から中学生まで、いつも子どもたちで賑わっていると、安心して遊ばせられます。
子どもたちがある程度大きくなると、ときおり部屋の窓から外の様子を眺めるだけでよくなります。
子どもの遊びについて回らなくていいので、すごくラク。
その間に、家事や自分のことに集中できるんです。
四季を感じられる豊かな自然
春は団地の桜並木の下で花見をすることが、我が家の恒例行事。
春が色づいていく美しさと、その儚さを家の前で体感できます。
夏はタンポポの綿毛を飛ばし放題。
セミの抜け殻を麦わら帽子いっぱいに入れて園のお友達にドン引きされたことも、虫かごの中でカマキリに捕食されるバッタを見てお友達とキャーキャー騒いだことも、忘れられない夏の思い出になったはず。
秋は「キンモクセイのにおいだー。このにおい好きー」と、ママの真似をして季節を感じます。
大量のバッタやコオロギを捕まえたり、どんぐりや色鮮やかな木の実を採って砂遊びに取り入れたり。
暑さも和らぐと、外遊びの時間が一気に増えます。
冬の寒い中でも、子どもたちは元気よく走り回ります。
雪が積もれば子どもたちがあちこちから出てきて、かまくらや雪だるまを作ってお祭り騒ぎになります。
もはや公園の中に家がある
私たちが住む部屋は、エレベーターが止まらない階にあります。
そのおかげで外の廊下に部屋が面していないため、家の中から公園の様子が一望できるんです。
「〇〇くんが遊んでるよー」と声をかければ、子どもたちは慌てて外に出て行きます。
平日はもちろん、週末にも子どもをわざわざ遊びに連れて行く必要がない。
私の友人や会社の同僚のパパたちは、毎週のように子どもを連れて大きな公園を巡ったり、有料の遊び場に行っているそうです。
長男が小さいときは、私もそうしていました。
親は子どものためにそうすべきだと思っていたし、それが最適解だと思っていました。
当たり前ですが、家から離れた公園に行くと移動時間はかかるし、友達もそこにはいないので親が遊び相手として時間を取られます。
せっかく来たならと長居して、外食が増えお金もかかります。
ここだとその必要はありません。
子どもはどこで遊ぶか、何をして遊ぶかじゃないんです。
誰と遊ぶかが大事。友達がいれば、いつまでも遊べます。
子育ては、時間とお金に余裕がないと大変に感じてしまいます。
ここだと外出にかける時間とお金を節約でき、それがそのまま親の余裕になります。
団地の暮らしは、時間的・金銭的余裕を生み出すのです。
このメリットが絶大すぎると感じます。
非日常ではなく、日常の幸福度を上げることに専念できるんです。
子どもが暇そうだから何かさせたいという理由で、習い事をさせている人も多いと思います。
しかし、ここに住んでいると遊びに忙しい。
平日も休日も、友だちが訪ねてきて小2の長男はすぐに駆り出されます。
長女と次女も、後から追いかけます。
実は、団地に住む子どもの数はそれほど多くないんです。
それでも小学校が近いということもあって、団地の外からもたくさん子どもが集まります。
もはや公園の中に家がある状態。
誰にでもオープンです。
そして、いつも遊ぶ場所が子どもたちの居場所になる。
学校や家庭以外にも自分の居場所がある子は強い。
子どもたちを見ていると、そう感じます。
おわりに
noteを始めて、豊かな自然の中で子どもたちを毎日遊ばせられるって、幸せなことなんだと気付かされました。
おまけに、自分たちの生活にも余裕が生まれていました。
そのほとんどは、この団地に住んだから手に入れられたんです。
団地に住むだけで、時間もお金も大幅に節約できる。
自然も豊かで友達もたくさんいるから、毎日が楽しすぎる。
退屈だからどこかに連れて行ってとか、そういう話にならないんです。
はじめは団地にまったく魅力を感じていませんでした。
家を買うまでの仮住まいのつもりでした。
内見もすごくテキトー。正直どこでもいいやと思っていました。
それが今では、いつまでも離れたくない場所になっている。
こんな未来は、まったく想像していませんでした。
こんなに魅力的な場所は、他を探してもなかなか見つかりません。
外観や内装より、家の周りの環境が何より大事でした。
子育て中の大変な時期では、それをより実感します。
これから住まいを変える機会がある方の参考になると嬉しいです。
<今回のポイント>
自然豊かで管理がしっかりした公園付き団地は、子育てをラクにする
子どもが集まる公園が家の前にあると、生活に余裕が生まれる
学校や園が近くにあると、平日も人が集まりやすいのでなお良い
今回の記事で、子育てと気楽に向き合えるパパママが増えてくれると嬉しいです。
またねー。
ベテランパパ