
重版予定なし。〜摘読日記_34
佐川光晴著「駒音高く」
先週手に入れたこちらの小説、一気に読み終えました。

色んな将棋指しが主人公の短編七篇が収められており、プロの棋士だけではなく、棋士を目指す男の子、女の子、23歳の青年、変わったところでは、将棋会館の掃除のおばさんが主人公だったり、将棋を巡る色んな人たちの悲喜こもごも。
私は特に、「はじめてのライバル」という将棋を始めたばかりの小学生の男の子が主人公の話と、「大阪のわたし」という千駄ヶ谷の将棋会館で清掃の仕事をしているおばさんが、旅行先の大阪の将棋会館で子供たちと将棋を指す話が好きでした。
解説は藤井聡太さんの師匠という杉本昌隆さんが書かれており、「人生は一局の将棋の如し」と書かれているのが印象に残りました。
描いた戦略通りに一局が進むこともあれば、思いがけない油断から暗闇に陥ることもある。しかし、諦めずに粘ることが肝心。
一方で、理詰めで考えることも重要だけど、頭の半分ぐらいはあえてぼんやりとさせ、インスピレーションがピピっと下りてくるのを待ち、下りてきたら覚悟を決めて一気に攻める。。
なるほど、人生も将棋も似ているのかもしれません。
ちなみに、私の好きな競馬でも人生になぞらえて語られることも多いです。
雑誌「太陽」で、こんな特集も昔ありました。

「人生はたかが1レースの競馬だ」(寺山修司)
重版予定なし。
ところで、佐川光晴さんの「虹を追いかける男」という本を、このところ読みたいと思って探しているのですが、普段よく行く本屋はあらかた見たのですが、どこにも置いていませんでした。。
そして、書店さん経由で出版社に問い合わせてもらったところ、「在庫なし。重版予定なし」とのこと。
ぼちぼちと古本を探すしかなさそうです。。
電子書籍もあるのですが、中々手が出ません。。
将棋繋がりで、この本を古本でゲットしました。
大崎善生著「聖の青春」

腎臓病という重病を患いながら将棋界で奮闘した棋士、村山聖の物語。
実は、映画版を数年前にすでに観ているのですが、原作も読んでみようかなと思いました。
「駒音高く」の将棋シーンの心地よさや、将棋に関わる人々のドラマが良かったので。。
映画版も良かったように記憶しています。
松山ケンイチの「増量」役作りが話題になりましたよね。