こすってこすって150年。日本人はドストエフスキーが大好き。〜摘読日記_21
先日、半分まで読んだ、と投稿した、亀山郁夫著「『罪と罰』ノート」を読み終えました。
うちの本棚には、「罪と罰」関連の本が他にも何冊か。
「無人島に本を持っていくなら何を?」というお題が昔ありましたが、「罪と罰」は私の中でかなり上位人気かも。
無人島に持っていくなら、「罪と罰」と、競馬新聞がいいかな。(笑)
150年も前の異国の小説なのに、不思議ですね。
特に日本には、ファンが多いそうです。
何度も読み返す読者も多いし、翻訳のバージョンからして、誰々版と色々合って。
日本での人気について、井桁貞義先生の「ドストエフスキイと日本文化」から少し引きます。
外国の研究者も、「日本人はなんでそんなによく読むの?」と不思議なようです。
小説家の加賀乙彦先生が、有名な「老婆殺し」のシーンの訳され方について、こんな風に仰っています。
ラスコーリニコフが凶器の斧を振り下ろした時、”峰打ち”だったのか、つまり、刃が自分に向いていたのか、老婆の方に向いていたのか、どちらだったのかで、小説の解釈が違ってくる、自分の方に向かっていたのだとしたら、”自分自身をも殺したい気持ち”があったのでは、と読むことも可能、ということを指摘されています。
翻訳版を読み比べて楽しむ、かなりマニアックな楽しみ方ですね。
江川卓先生の「謎とき『罪と罰』」は、私はまだ拾い読みしているところなのですが、主人公の名付けにドストエフスキーが仕込んだ意味や、登場人物の造形に込められた意味、それは深読みし過ぎでは・・というぐらいに、しゃぶり尽くしています。
冒頭で、このように書いています。
そういえば、先日映画館で観て記事にもした、劇場版「仮面ライダーリバイス」のケイン・コスギ演じる仮面ライダーダイモンのキャラクター造形にも、「罪と罰」のラスコーリニコフの”非凡人理論”の影響を感じたのでした。
「大きな目的のためには多少の犠牲は仕方ない。」、という台詞に。
これも、深読みかもしれませんが。。
・・以上、今日は完全に非競馬系の記事を書いてしまいました。
ちなみに、競馬系では、最近こちらの本を読み進めています。
商社が隠し事業として「ノミや潰し」をやる、というお話です。
読んだことのない雰囲気の小説です。
感想記事はまた改めて・・。
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