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脆弱な民主主義:回転ドアの世界2022

 それにしても、民主主義くらい脆くて弱いものもない。危なっかしいリボルビングドアでは一党独裁にも専制主義にも勝てないだろう。いま民主主義が問われている。

 戦後まもなく我が国では唯一の皇族首相である東久邇宮稔彦王が登場した。しかし、わずか54日で総理の職を辞することとなった。これは戦後処理の云々で仕方なかったというしかないのかもしれないが、さて2022年である。

 英国のトラス首相が前首相のボリス・ジョンソン氏の辞意をうけて9月に就任してから、わずか44日で退陣を表した。これほどまでに短命な内閣も前例がない。

 不名誉な退任、経済の混乱…… しかしデモクラシーをやるというのは大変である。回転ドアの如く、めくるめくまわり続ける権力と民主主義。

 国際社会を見渡せば、いま民主主義は衰微し権威主義や専制国家が増えていることがわかる。民主主義の優位性はすでに後退し、目立つのは一党独裁の超大国や一国主義の侵略国という現実だ。

 戦後日本が曲がりなりにも享受してきた自由や平和、民主主義に法の支配といった普遍的価値観を守れるか。21世紀の正念場である。

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