第一話 弱小もやしマシマシ系ラーメン店の店長が転生してメタバース空間の女子高生になった件(Sekka編①)
「散々だなぁ…」
ワンルーム4畳半のボロいアパートに自分の声がこだまする。
流行中の感染症についにかかってしまった。
身体のあちこちがしんどいし頭がぼうっとする。こんなに熱を出したのは小学生以来かもしれない。
飲み物が欲しくて枕の上に手を伸ばすが、彼女に渡すはずだった指輪の入れ物に手がぶつかる。
「はぁ……」
俺はしがないラーメン屋の雇われ新米店長。この指輪はあくせく働き貯金したお金で買った。
流行り病の影響でラーメン屋の収入は落ちていたが、「今しかない!」と意気込み